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稲荷採用型壊獣抜きカグヤについて(何故カグヤのサイドデッキにクリボーを採用するに至ったのか)

1.はじめに

お久しぶりですかをぽっぽです。スプライト環境楽しんでますか?私は日々ブチ切れの連続です。ですが先日行われたオズcsで個人6-1で優勝することができ、この環境下でのカグヤ構築についてある程度の説得力を確保できたと思うので話題の冷めないうちにこうして記事を書くことにしました。最後まで付き合っていただけると幸いです。

過去記事で既に紹介したカードや動きについては省略しています。過去記事を見たい方はこちらからどうぞ
第一回【朝霞で使った壊獣カグヤ】
第二回【朝霞で優勝した壊獣カグヤ】
第三回【ネクストプレイ杯で使った花札衛】
第四回【壊獣抜き壊獣カグヤについて】
第五回【壊獣カグヤ小技集】
第六回【プロートス型壊獣カグヤについて】

2.レシピと戦績

第二回オズCS
ティアラメンツ×〇〇
スプライト〇〇
スプライト〇××
スプライト〇〇

スプライト〇×〇
スプライト×〇〇
スプライト〇×〇

3.デッキについて

私の使っている雪花未界域が採用された(壊獣抜き)カグヤは、九州のypであるライパルさんが開発された雪花未界域壊獣カグヤ、通称「ライパルスペシャル」をベースに私が好き勝手弄っている物ですオリジナルは私ではないということは覚えておいて下さい

4.スプライトとどう戦うのか

今回の構築方針をまとめると、「誘発1枚で餅エルフの成立を防ぎ、捲る」です。スプライトは誘発の貫通能力が非常に高く、動きを止めるために誘発を重ね引きするプランが多くのデッキで採用されています。この戦術は選択権をもって先攻を取るデッキが低い後攻勝率をごまかすためのプランとして有効だとは思っています。ですがカグヤはじゃんけんに勝って後攻を選択するデッキです。カグヤがこの「2枚で止める」プランを採用するなら先攻でメインギミックを回せば誘発が無くても勝てる他デッキと違い、すべてのゲームで誘発を2枚以上引く必要があります。これは現実的ではありません。またこのプランにおいて殆どの誘発は「一枚では仕事ができないカード」です。またこの「2枚引き」というのは多くの場合指名者をカウントしていません。指名者が絡めば3枚でも4枚でも貫通していくのがスプライトです。そうして完成した餅エルフを残った手札3~4枚で捲るのは難しいと考えました。
では後攻に特化すれば誘発抜きでスプライトを捲ることが出来るのでしょうか。結論から言うとこれも難しいです魔知ガエルによる攻撃誘導のせいで盤面を捲るために効果発動が強要されることが多く、効果発動を伴うと餅エルフの質の高い2妨害+αは流石に捲りづらいです。しかし魔知ガエルの絡まない部分は打点によって超えることが可能で、特にアルファ、パンクラ、エクレシアのような効果発動を伴わないssによって頭数を揃えて捲る動きは魔知ガエルのいない盤面では有用でした
そのため、重ね引き次第で強力な誘発だが1枚だけではスプライトの展開を止めにくい幽鬼うさぎやニビル、エフェクトヴェーラー、わらしといった誘発の採用枚数を大幅に削り1枚で餅エルフの成立を防ぐことが出来る手札誘発のDDクロウ、増殖するG、ディメンションアトラクター、そして機巧狐-宇迦之御魂稲荷(後述)を採用残りの枠を捲り札に使い、今回の構築方針としました。

5.採用カードについて

メイン、エクストラの採用カード

仮想敵であり環境トップシェアのスプライトを強く意識しました。それ以外も多少意識はしてますが、非常に偏ったメインデッキです。

機巧狐-宇迦之御魂稲荷》《豪雨の結界像》《清冽の水霊使いエリア

今回採用した新たな機功モンスターです。手札誘発としての仕事を期待しています。その効果故に今回の構築にかなりの影響を与えています。3つの効果があり、
リクルートが行われると手札からss
着地時に相手のモンスター1体と同じ属性の攻撃力=守備力のモンスター(以降「機功ステータス」と表記)を手札デッキからss
・相手がns、ssするたびに発動し、300バーン
です。つまりリクルートに反応する手札誘発です。リクルートは自分と相手どちらが行っても反応するので、白エクレシアとハリファイバーで能動的に起動することも出来ます。
今回のデッキの機功ステータスのモンスターは
闇:叢雲、DDクロウ、(サイクルリーダー)
光:ヴェーラー、白エクレシア、アヤメ
水:豪雨の結界像
地:稲荷
炎、風、神は無し
4属性に対してss先を用意しています。太字が実際に環境でssすることを想定しているモンスターです。環境上で稲荷の使用を想定している対面はスプライトティアラメンツエクソシスターエルドリッチの4つで、それぞれについて


対スプライト
リクルート効果:ディーヴァスターター、(ギガンティック)、餅カエル
対象属性:水、闇
ギガンティックに対してはクソ縛りが付くので稲荷をssできませんが、ディーヴァとスターターに対して稲荷を発動できます。ディーヴァの場合は100%、スターターの場合はカエルが場にいる時に稲荷が起動できると相手の展開途中に豪雨の結界像をssでき、そのまま相手の展開はほぼ停止します。返しのターンで結界像をエリアやハリの素材にすることで自分は制約を受けずに動くことが出来ます。貫通しうるカードはスマッシャーズや三戦の才ですが、いずれも使われ方としてはマシな方です。起動トリガーがスターターの場合、場に水属性が居ない可能性もあります。その場合は闇属性を対象に叢雲をssして、返しの餅魔知エルフを打点で超えに行きます。スプライトが先攻1ターン目に複数並んだモンスターを処理することは難しく、1枚から2体分のモンスターがssされかつ叢雲にアクセスできている時点で仕事としては十分です。
さらにスプライトレッドのようなカードで破壊されずに手札にとどまった時やトップで引いた時、餅のスタンバイのリクルート効果に反応して2250打点がssされるので餅魔知エルフを討伐するときにも使えなくはないです。

対ティアラメンツ
リクルート効果:融合派兵、(烙印開幕)
対象属性:水、(闇)
融合派兵でssされたレイノハートに対して一応豪雨の結界像をssできます。しかし初動パターンとしてはかなり限られるためサイド後は稲荷と結界像は抜きます。構築によっては烙印開幕があるらしいので一応闇も触れなくはないです。

対エクソシスター
リクルート効果:マルファ、バディス
対象属性:光
マルファと相手ターン中のバディスの効果に対してはアヤメを、自分ターン中のバディスに対してはエクレシア、アヤメ、エフェクトヴェーラーのいずれかをssします。マルファに対してアヤメをssし、エクシーズ体にアヤメの破壊効果を使えればサーチ効果を使わせず、マニフィカの成立を防ぐことが出来ます。自分ターン中ならば星8としてアヤメをssするほか、4チューナーのエクレシアとサイコエンドをシンクロ、1チューナーのヴェーラーとカオスルーラーをシンクロできます

対エルドリッチ
リクルート効果:紅き、黒き
対象属性:光
エクソシスターと同じですが、特に自ターン中のssが多いです。特にカオスルーラーが成立するとそのまま押し切れたりします。

ヴェーラ―は今回の構築方針の「1枚で餅成立を止める」の趣旨に反するカードでしたが、ハリセレーネアクセスやこの稲荷の動きの為に1枚採用しています
また、稲荷の③の効果も地味ではありますが生き残ると2000以上のダメージを平気で稼いだりするので馬鹿になりません。ゲームエンドに絡んでくれた試合も多かったです。

白の聖女エクレシア》《妖眼の相剣師

以前から採用実績のあるカードでしたが、チェーンブロックを組まずにssでき、スプライトエルフを殴り超えられる打点というのを評価しての採用です。エクレシアがフリーチェーンのため、餅が場を離れてからエルフで蘇生されるまでの間に2500打点を作れるというのも評価ポイントです。アヤメ自体がスプライトに対してそこそこ仕事をしてくれて、こちらのエンドのスターターに反応して2ドローや、ギガンティックのssを牽制したりと、現環境ではかなり強いカードだと感じました
また、後述のデストルドーとの組み合わせとしても強かったです。

亡龍の戦慄-デストルドー》《サイコ・エンド・パニッシャー

以前の構築記事からの新顔です。サイコエンドパニッシャーは星8+3チューナーでssできる強力なシンクロ体で、カグヤでは比較的出しやすいカードです。そのまま雑に積んでも活躍してくれるカードですが、より強力に使うためにデストルドーを採用しました
デストルドーでライフを半分払い、サイコエンドの起動効果を発動すると自分ライフは3000となり相手ライフが初期値の場合サイコエンドの攻撃力は8500となります。成立条件としては
・星8+星3チューナー+トルドー
・星8+星4+トルドー
・星7+星4チューナー+トルドー
・星7+星3+トルドー
3枚要求でこそありますが、非常に緩く、トルドーが引けていればかなりの確率で成立します。またハリファイバーを使える状態ならうららをリクルートすることで条件を緩めることも可能です
このワンキルルートの最も優れた点はサイコエンドの耐性です。揃ってしまえばほとんどの手札誘発を貫通してワンショットキルができ、裏目が非常に少ないです。仮にワンショットが成立しなくても相手ライフと自分ライフの管理さえできていれば超打点の超耐性持ちが残るためそれだけでゲームに勝てます。ワンショットできない状態ならあえて攻撃せず打点だけを上げるターンを作るときもあります
また、デストルドーがこのワンショット以外でも仕事ができるようにダルクやハリからのアクセスも採用しました
デストルドーは未界域で当てられても当てられなくても仕事ができる有能で、このギミックで勝ち筋が増えているので今後も採用するかもしれません。

サイドデッキの採用カード


メインデッキをスプライトに思いっきり寄せたので、サイドデッキは主にそれ以外の対面をメタるためのカードが多いです。環境上に存在するアーキタイプが少ないためかなり極端なカードが多いことが特徴だと考えています

接触するG


過去鉄獣環境で採用実績があったカードですが、ティアラメンツとエクソシスターを同時に見ることが出来るので採用しましたカグヤやアルファによる使いまわしが可能である他、ティアラメンツはデスピアと異なり烙印融合にこれ一枚で甚大な被害を与えられます。強かったです。

マジック・キャンセラー
これも過去、魔鍾洞環境での採用実績があったカードですが今回は苦手な神碑対面用に積みました。正直神碑もそんなにいないのでここは要改善だと思います

原始生命態ニビル》《エフェクト・ヴェーラー》《時花の賢者-フルール・ド・サージュ
いわゆる丸いカード。採用している誘発はスプライトに対して重ね引きの効果を想定していないためヴェーラーニビルはスプライトに対してあまり強く使えないです。しかしこれらが強い対面は一定数存在するので、ある程度対応力を上げるためこれらのカードをサイドに置きました。サージュの3枚目がサイドにあるのはメインの枠の都合上被りが辛くスプライトに対してチェーンブロックを組む点エルフの耐性付与で使いづらく減らしました。しかし罠対面には3枚目が欲しいので一枚サイドとしました。サイド後対面次第で空きやすい水結界像と入れ替えることが多いです。

A・O・J サイクルリーダー
エルドリッチメタとしての採用です。詳細は過去記事「プロートス型壊獣カグヤについて」参照

クリボー


最古の手札誘発。効果は非常にシンプルで、戦闘ダメージを1度だけ0にします。クリボーのような攻撃に反応する手札誘発は多種多様で歴史も深く、カグヤでも過去バトルフェーダースモークモスキートを採用していました。時代も違うためクリボーのカードパワー自体はこれらのカードよりかなり低いです。それでもクリボーを採用することになったのはスプライト対面を意識したからです。
カグヤはサイド後デッキが判明すると先攻を押し付けられ、相手がワンショットキルを狙ってくる場合があります。この時カグヤ側の対策として
手札誘発により展開を止める
カグヤや白エクレシアで展開を弱める
攻撃反応(スモークモスキート)や叢雲で耐える
・カグヤより強力なシステムモンスターで耐える
・罠を積む
・先攻展開をする
等があり、私は最初の3つを主に使ってきました。
ここで思い出して欲しいのは、このデッキの手札誘発は「餅カエルの成立を防ぐ」ことを主眼に選択されていることです。スプライトのテーマとしての動きを止めることは採用している誘発枚数的に難しいです。特にスプライトの後攻ワンショットの動きはアトラクターやDDクロウではほとんど止められません。また、ギガンティックやエルフ、メインのモンスターも基本複数積みなのでカグヤを妨害として信用することも難しいです。アヤメもアルミラージ等でケアされます。最後に、ギガンティックスプライトの制約共有により、叢雲、スモークモスキートを使った耐えプランは成立しません。以上のことから私の今まで使ってきたプランは通用せず、先攻を押し付けられた時の生存率が非常に低くなりました
ではシステムモンスターで耐えるプランは?これは相手が選択権をもって後攻を選択している時点でサイドカードによる回答が非常に多く、どのモンスターを使っても1枚では限界があります。前述のとおり誘発でのバックアップも難しく、勝ちづらいプランです
では罠を積むのは?スプライトはそもそものパワーが非常に高くカグヤに対して先攻をとっても不利になりません。また最近のサイドデッキは先攻に寄って神罠などが採用されており、選択権があったとしてもこちらに先攻をくれるとは限りません。そうしたとき雪花の光という可能性を放棄し、後手まくりに使えない罠を抱えて後手から勝てるかは怪しいところです。また仮に先攻を押し付けてきたとしてもその時はライトニングストームは確実に積まれ、罠プランも読まれやすいので羽根も積まれていると考えてよいです。何れにしろあまり強いプランだとは考えていません。
先攻展開は?指名者もないデッキの先攻展開を許してくれるほどスプライトの手札誘発はぬるくありません。できてアスクリコック程度のものですが、泡ヴェーラー6枚が標準の時代にアスクリを信用できません
そこで戻ってきたのが手札誘発で耐えるプランです手札1枚で生存を約束してくれる札があれば返しに捲りに行ってワンキルを防ぎながらゲームをさせてくれるのではないかと考えました。スプライトの後攻ワンショットの盤面は
キャットシャーク、ギガンティック、星2R2のなにか、レッド
と考えられます。ギガンティックの制約をすり抜けることはもちろんですが、速攻のかかしのような攻撃宣言時に発動するタイプのカードはスプライトレッドで容易にケアされてしまいます。つまり、ギガンティックの制約とスプライトレッドを同時にすり抜けて自分のライフを守れる手札誘発というのが必要な条件で、検討した結果出てきた候補が
儚無みずき
クリフォトン
・クリボー(アルカナフォースⅩⅣ-TEMPERANCE
の3つでした。
みずきとクリフォトンはレッドの着地前に効果を発動することでスプライトレッドをケアできます。これらは生存能力だけでいえば非常に強力です。しかしこれらを使わなければならないレッドの着地前のタイミングとは展開の序盤も序盤です。みずきとクリフォトンが通った時点で自分の生存が確定するため、相手の目的はワンキルではなく制圧に切り替わってしまいます。そうしたときに先攻で手札1枚少ない状態でスプライトを捲るのは大変です。
一方でクリボーはダメージ計算時に発動する効果の為、スプライトレッドの効果無効や墓穴の指名者で無効にすることが出来ません。しかも自分の生存が確定するタイミングはワンキル用の展開を行った後であり、その後の制圧盤面は弱くなりやすいです。クリボーは1体分のダメージしか止められませんが、6400のギガンティックにワンキルプランが依存することが多いスプライトにはこれで十分だと考えました。
長くなりましたがまとめると、スプライトに対して先攻を押し付けられた時の生存率が高くなりその後の捲りもやりやすくなるカードがクリボーなのです

6.終わりに

いかがでしたか。今回運よくオズCS優勝という結果を頂けましたが、何とか勝負ができる程度の構築にしたとはとはいえ、これがスプライトに対して有利な構築というわけでもありません
それでもこうして記事を書く人間として、今期の大スプライト環境の中で一つの爪痕を残せたぞということをここに記しておきます。
カグヤで完全に勝てなくなるまではこのデッキをしゃぶりつくす所存でありますので、その時までお付き合いいただけると幸いです。
語りが長くなりましたが、ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました。またオズCSの動画卓が上がったら見てやってください。

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