軸足と遊びの話
セレクトショップとして、さまざまなデザイナーの洋服を扱いながらも、古着も定期的に取り扱っているのには理由がある。
ブランドの洋服を"軸足"とするなら、古着は私にとっては遊びのような物だ。
サッカーで例えれば、軸足を踏み出して、どう蹴ろう?
バックスピンを掛けてパス?それとも無回転シュート?グラウンダーでスルーパス?
逆を言えば軸足さえしっかりしていれば、技さえ磨けばどのような蹴り方をしても良い。
基本的に根っこにある考え方はこれなのだ。
だからといって別に古着を軸足にすること自体を否定するつもりは毛頭ない。
考え方の問題であって、全身古着でコーディネートなんてこともたまーにしたりする。
これなんか良い例だ。
このシャツはヴィンテージの60年代頃のアメリカのボーイスカウトが着ていたシャツ。
赤で実際は敬遠する色だが、ヴィンテージで、なんだかストーリーがあって良い。
古着だから良かったりするのだ。これが、新品のブランドでサンプリングされたような物であると、こうもいかない。
こんなワールドワイドなスタイリングも古着ならでは。
4年に一度のワールドカップのように世界が一つになる瞬間のような。そんな異国情緒を楽しむのも古着の醍醐味だったりする。
色味の挑戦。独特なデザインへの挑戦。という意味でも良いだろう。
エルボーパッチ。グリーンのウールに、スウェードの襟。
一周回って今っぽさを感じてほしい。
アメカジの80年代のディティールも2022年には新鮮な感じ方がある。
冬のアウター。コート。
この辺もブランドでは少々勇気がいるだろう。
ましてやダブルブレステッドな前立ては、憧れるがなかなか手が出せない。
そんな方にも比較的良心的な価格帯で手にすることができるのでこの辺も挑戦し甲斐がありそうだ。
これは今日の格好。
ニットインタートルがもっぱら気分だ。
ファッションを全力で楽しむ方々へ。
是非軸足を固めて、遊びのフェーズに移行してみては如何だろうか。
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