まずは眼前にログラインを

物語を作りたいと思った時、まず、何をしたらいいだろうか。
それは、ログラインを作ってみることだろう。これは、必ずそうしなければならない。例外はない。

「いや、それはどうだろう」そう思うかもしれない。流れで書き始めて、そのまま筆が止まることなく終えることのできる……そう言う才能を持った人がいる、と。
確かにそれは事実だ。しかし、特別なことではない。それができる人は、単に頭の中に物語の完成形ができあがっているだけなのだ。
それは、結局のところログライン、そしてプロットに他ならない。
むしろ、これらの下準備を頭の中だけで終えてしまうことはデメリットにもなり得るから、まずはログラインを書き出し、プロットを作成し、自身の目の前に表すべきだ。人間は目で見たものをこそしっかりと印象づけることができる。そのようにして作られた物語はブレがない。故に、表現としての完成度が高い。
では、ログラインとなにか?
それは、

作者が頭の中にあるイメージを伝わりやすくするために、物語を短く書き出したもの

と言うことができる。
まずはこれを作ることができれば、物語に具体的な芯が通り、文量が増えても支離滅裂になることがない。
もし作らなければ、どんなに面白いテーマの物語であってもそれが伝わらず、読んでもらえなくなる。表現である以上、誰かに見てもらえるような工夫は絶対に必要だ。

ログラインを作るには、以下の手順に従うと良い。

 ①まずは主役を決める
 ②次に対立を決める
 ③結果を決める

基本的に「①が②して③となる話」と書けばログラインが完成する。
主役を明確にし、対立をわかりやすくする。また、慣れないうちはログラインを「〜な話」と締めることを意識するとやりやすい。

短く表せれば、物語のコンセプトが明確になっていると言えるが、長さにこだわる必要はない。
大切なのは、あなたが本当に伝えたいことを見つめ直すということである。
ログラインは読み手に伝えやすくするために作るものではあるが、作者自身の心をはっきりと自覚するためでもある。
眼前に現れるまで、人間はなかなか物事を信じられなかったり、意識できなかったりするからだ。

最後に、もしあなたが自分の書こうとしている物語でログラインを作りにくい時、あなたが好きな既存作品でログラインを作って、練習してみると良い。
ログライン作りで重要なのは、主役・対立・結末、この3点の明確化である。主役が対立を経て、結末へとどのように変化を体験するか……あなたの心の中を見つめ直し、自分自身を理解することを意識する作業だ。

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