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営業得意なスタートアップが「営業禁止」された時の末路-chapter2〜高田純次の適当手帳に隠された秘密〜

前回のおさらい


自分の大好きな芸能人の1人に高田純次さんがいる。
あのなんとも適当でいながら、実はしっかり考えられている感じがなんとも言えない。
適当さを売りにしているが、実は適当どころか、練りに練られている。

その高田純次さん監修の「適当手帳」なるものをご存知だろうか?

この手帳については、実はどうでもいいのだが、
この帯だ。

「使わなくてもいいよ。買ってさえくれれば。」

思わず笑ってしまうような、適当さが出ている。
この面白ががポイントで、「それ、言っちゃうんだ!?」と思うからこそ
ここに面白さがある。

今まで、なんとなくグレーゾーンになっているようなことを言ってしまうことで
売れているタレントや、youtuberは皆さんも何人か頭に浮かぶのではないでしょうか?

これが「言っちゃうんだ!?」と思われているということは、
世の中では、実は、口には出さなくても
このように思っている人が多いという何よりの証拠。

世の中で営業をしている人や、
商売をしている人や、
接客をしている人の中で、実はこんな風に思っている人がいるということだ。

「使わなくてもいいよ。買ってさえくれれば。」

もちろん、世の中にはお客様の幸せを徹底的に考え、
サービスをしている企業は人はもちろん存在する。

でも、実際に多くの企業や人がこうなってしまっている現実がある。
それはなぜなのか。
これは意図的にやっているものの他に、
そうなってしまっているには、あるメカニズムがある。

わかりやすく、この適当手帳のような状態を「売り切りモデル」と言う。
これまで様々な商品やサービスが「売る」ことがゴールになっていた。
営業も売ることがゴールになり、数字を追いかける。
そして、自分も営業コンサルの現場では

「お客様の意欲は印鑑を押した時が一番高い。なので、紹介は契約時にお願いすること」のように言ってきたくらいで、お客様の意欲は買ってから落ちていくという図を描いて説明をしていた。

これを、お客様の視点でみてみてれば、期待だけ高まったけど、
実際は期待ハズレだったということになる。

なぜ、このようなことになるかと言えば、

商品やサービスをお客様に買っていただいた
後というのは、これまではブラックボックス化してしまい、
実際にどのくらいお客様がそれを活用いただいているのか、
それを活用いただいた効果がどうなっているかが
これまではわかりずらかった

から。
追えないのだ。

ところが、近年のテクノロジーの進歩によって
これがブラックボックスからクリアボックスになろうとしている。
SaaSと称されるサービスを提供している例えばsmartHRのような企業は
使用のログをとり、お客様の活用度を測ったりしているし、
名刺のsansanは、お客様の名刺をスキャンしてもらうためのスキャナーに電源が
入っているかどうかまで把握している。

そして、このような企業はお客様が活用できてないと見るや、
アプローチ方法を変え、お客様がキチンと活用でき、
遅かれ早かれ解約されてしまうのを未然に防いでいる。

そもそも、SaaSのビジネスモデルというのは
as a service というくらいで、これまでシステム費用として一括で
お客様からいただいていたようなものを月額費用という形なので、
長期的に回収しながら利益を出すというモデルだ。
導入してすぐに解約されてしまったら、それまで積んできた開発費などが
回収できない。
だからこそ、SaaS企業は「どれくらい続けてもらえるのか」逆に言えば、「解約が出る」もしくは「解約が出そう」ということに対してアンテナを立てまくっている。

テクノロジー系企業はいち早く、これを捉えてカスタマーサクセスとして
このようなことをやっているのだ。
ところが、既存のビジネスモデルからきた自分はそのことを知らなかったし、
世の中の顧客に対するアクションが少しづつ変化していることに
気がつかなかった。

確かに、言われてみればその通りで
テクノロジー系企業だけでなく、レガシー産業でも
やろうと思えばできるはずなんだ。

例えば、税理士、弁護士などの士業の方々は
忙しいことも多く、レスポンスが遅れることがある。
メールをしても1日2日経っても返信がこない。
メールが届いているのかどうかさえわからない。
自動返信メールでもいいから
「メールを受領しました。数日中に返信いたします」だけでも
他と差別化がされるのに、やっている事務所は皆無だ。

事実、レスポンスが遅すぎるので解約にいたったサービスもある。

もしも、自動返信メールの設定をしていたり、
テクノロジーで24時間経過してしまったメールに警告を出したり、
上司にメールが行くようにできるかもしれない。
いや、テクノロジーを使わなくても、アナログに平均返信時間を
抽出することだってできる。

ところが、往々にして「売り切りモデル」の文化が出来上がると、
なかなか文化を変えづらくなる。
だから、世の中が変わっていることに気づかずに
そのままのやり方でいこうとしてしまう。

自分たちがサービスを販売するにあたり、

年間契約をいますぐ辞めたほうがいい

と言われたのは、
お客様が続けたいかどうかの意思確認が

年に1回しかPDCAが回せない

から。
リスクはあるが、月額契約にして、お客様からすれば、いつでも解約ができる状態のほうが年間12回のPDCAが回せる。
営業というよりも、サービス開発をする上ではこの方が本当に強いサービスを構築できる。さもなければ、1年後にもしかすると一気に解約が起こるかもしれない。

そう考えてみると、完全に「売り切りモデル」の考えでいてしまっていた。
お客様のことを考えている風であって、何にも考えられていない。
とにかく売るんだ、と自分よがりの考えになっていた。

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