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新卒採用面接で聞かれた良問集

社会人になった今に振り返ると、僕が学生時代に新卒面接で聞かれた事には良問と言える「いい質問」がいくつもあり、これらの質問は個人の資質を見抜く上で、かなりの確度があったと思う。
良い質問ほど明確に意図があり、なおかつ想定問答で対策をしてきた学生の裏をかくような質問だ。

このような面接設問集の一部を、今日は紹介したいと思う。


「組織の1年生になった時に何を一番大切にするか」

【見たい資質】適応力、謙虚さ、観察力、相手目線
【解説】
就職後に全く違う行動様式の環境や価値観に触れた時に、いかに早く状況を認識し立ち居振る舞いを自発的に修正できるかをこの質問で聞いている。
特に自分の立場を客観視できない傾向にある人間は「組織の1年生」というフレーズをスルーし、ただ自分のこだわっている事を言ってしまう可能性が高い。
まずは相手が何を期待しているのかを考え、それに応じて自分が何をすればいいのか臨機応変に対応できる資質を持っているかを見抜く上で、かなり効果的だったと思う。


「無人島に行くとしたら何を持っていくか」

【見たい資質】思考傾向、価値観、観察力
【解説】
王道だが、これは面接官の解釈力が高ければ大きな材料を得られる質問だ。
この質問の回答には様々なものがあるが、それが論理的ならばその学生は高確率で左脳派で、独創的ならば高確率で右脳派、といった分析ができる。
質問が抽象的なので、例えば集団面接ならこちらがどのような回答を期待しているかを他の学生の回答から読み取って、それに回答を寄せてくる学生か否かも分かる。
営業などの仕事に必要な観察力を有しているかも判断しやすい。


「世間では常識とされているが、自分は違うと思う事を教えて」

【見たい資質】思考力、俯瞰力、論理力、批判的思考力、プレゼン力
【解説】
この質問が優れている理由は、学校教育では育てられない素の頭の良さが見れるからだ。
特に批判的思考力は社会に出てからは極めて重要だが、学歴では測れない。
また型に依存しないで自由に物事を考えているかの資質や、それを他人に対して魅力的にプレゼンする能力なども測れるので、社会人になってからどれだけ伸びるかを見るうえでは極めて効果的だと思う。


まとめ

このように工夫を凝らした質問は、「学生時代何を頑張ったか」「当社を志望する動機」などの陳腐な質問より遥かに大きな示唆を得る事ができ、短時間でより判断材料になりやすい情報を取れる点がメリットだ。
いい学生を引き抜くために全社的に採用戦略に取り組む事も大事かもしれないが、まずは足元の質問の質をあげるだけでも今埋もれている才能を引き出すことができる。

今後も良問集の続きを書いていきたいと思う。

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