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会社員インフルエンサーはブランドを作っていく仲間になるのか

こんにちは、プレイドの川久保です。

今回は、日経MJ連動投稿企画の #インフルエンサーで売る時代は続くのか というお題に対して、インフルエンサー界隈にまったく疎い立場から考えたことを書いてみたいと思います。

インフルエンサーで売るということに、自身の仕事でも、自身の体験でも接したことがないのであまり実感が無いのですが、上記記事であげられているカリスマ店員のような「会社員インフルエンサー」という存在について、日経クロストレンドで面白い記事がありました。

ストライプインターナショナルさんが、「SLURR(スラ―)」というブランドをはじめとして、マス向けに多種多様な商品を供給するブランドをつくるのではなく、規模は追わず「2億円のブランドを50個」で合計100億の事業を目指すという話です。

ブランドの規模だけの話ではなく、人気の販売員にブランドマネージャーを任せ、商品企画やマーケティング、SNSを通じた顧客とのコミュニケーションまでを一任するという計画です。既に著名なインフルエンサーを中心に据えるのではなく、日々顧客とコミュニケーションを取っている販売員の方を中心にするのは面白いなと思うと同時に、こういうブランドの作り方はアパレルに限らず、様々な業種で増えそうな気がしました。

この事例は、「会社員インフルエンサーで売る」というより、「会社員インフルエンサーを中心に据え、顧客と熱量の高いブランドを作っていく」ということでしょうか。既にあるブランドをインフルエンサーの拡散力を利用して売るのではなく、インフルエンサーが顧客と世界観を作り上げていく共創の方法であり、「売る」ことを最大の目標にしていないからこそ顧客のことを大事にできるという良さが出てくると思います。

マスで共通化されるニーズはプラットフォーマーのような強いところが取り、マス向けのプレーヤーは集約されていく。この流れは加速すると思います。その分、マス向けの商品では満たされないユーザーニーズは細分化されたブランドが細かく埋めていく。大きな規模を目指して、誰もが知っているヒット商品を生み出すことだけではない道が増えていきそうです。

上記記事内にも記載されていましたが、こういうブランドが顧客に受け入れられる際に必要なことは、顧客を巻き込み、「一緒にブランドをつくっているという感覚」を持ってもらうこと。この観点では、日々顧客と接し、顧客の生の声を知っている「会社員インフルエンサー」の強みが活きるのではないでしょうか。

お客様のことを解像度高く知っているブランドマネジャー、コミュニケーションマネジャーだからこそ、顧客を熱狂に導ける。顧客と同じ視線を持てる、もしくは顧客のことをよく知っているからこそ、できることがある。フォロワーの数ではなく、熱狂度。熱量を顧客といかに高めていくかというのが、ブランドにとっては大事なのだと思います。

熱量を顧客と高めていく時に必要なのは「顧客と共犯関係になる」ことというのを以前書きましたが、この役割を「会社員インフルエンサー」が担っていくと、面白いブランド体験がたくさん生まれるかもですね。

なにより、ブランドの中心に「人」を持ってきて、その人の強みを活かすためにSNSやデジタルの力を活用し、人の能力を拡張する動きというのはとてもいいなと思います。熱量は誰かの熱源からしか伝播しないですし、熱量が流通する社会には希望が持てるなぁと思うわけです。

余談ですが、マス向けの大きなニーズを満たすプラットフォーマーには、おそらくそこまで熱狂は要らないでしょう。そこに必要なのはきっと、利便性。ストレスなく購入、体験できることに重きが置かれると思います。

利便性と熱狂。この2点は両立すると思いますが、どちらに重きを置くかによって、ブランドの立ち位置が変わってくるのではないでしょうか。いずれにせよ、マス向けの商品から自分に合わせて選ぶのと、自分にとって居心地の良いブランドをともに創っていくという体験を、顧客が選んで使い分けていく形が増えそうだなと思いました。

#日経COMEMO #インフルエンサーで売る時代は続くのか


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Photo by Claes Pettersson on Unsplash


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