見出し画像

「迫りくる人類総インターネット時代」 後編〜最後のフロンティア〜

前編はこちら

はじめに

物事には流行りがあり、言葉もそうだ。

昨今は流行り言葉のことを「バズワード」と読んだりもするが、今日本のビジネスニュースを盛り上がらせている「バズワード」は「DX」で間違いない。

「DX」とはデジタルトランスフォーメーションの略だが、いわゆる「デジタル化」のことだと思っていただいて差し支えないと思う。

「DX」は最近フッと湧いて出てきたように思われているが、そもそも人類は常にテクノロジーとともにあったわけで、そのテクノロジーがデジタルへと主戦場を移した時からデジタル化は常に進展してきた。

スーパーコンピュータからパーソナルコンピュータ、ガラケー、スマホ、ウェアラブル端末とハードウェアの変化もさることながら、ソフトウェアでもWindowsの時代を皮切りにOfficeシリーズを中心としたパッケージからクラウドへ、SaaSへと時代は移っている。

その変化とともに、主役の企業もIBM、インテルなどからMicrosoft、Apple。Amazon、Facebook。NetflixにSalesforceと、変化している。


最後のフロンティアの終焉


話を戻すと、時代は常にデジタル化してきたのに、なぜこのタイミングで「DX」などと言われているのか?

それは、「最後のフロンティアが終わろうとしているから」だと考える。

つまり、デジタル化の波に抗い続けてきた、デジタルに触れることなく暮らすことが許されてきた、そんな世代とそんな組織が終わろうとしているからである。

Windows2000とともに社会人になったPC世代ももう社会人20年目。社会の主軸を担う年代だ。その下に控えているのはスマホネイティブ。

つまり、「機は熟した」。

今後、名実ともに、全ての意思決定はデジタルを前提として行われるし、デジタルな思考で行われる。

そうなった時、富の生産効率の最大化を考える資本主義的組織において、アナログ的アプローチの出る幕はない。


フロンティアを終わらせる開拓者、SaaS。

とはいえ、デジタル人材の不足が嘆かれる現状を鑑みても分かる通り、利用する側としてデジタル、インターネットの便益は計り知れないが、いざ組織としてそれをインフラとして導入し、日々のビジネスに生かしていこうとすると、専門性やコストがかかるというのが当たり前だった。

ただ、その負を解決したのもまたテクノロジーである。
具体的には、SaaSと呼ばれるクラウドベースのサブスクリプションモデルのソフトウェアが、その負を解決した。

Amazonが提供しているAWSというサービスは、これまで企業が莫大なコストをかけて自前で持ち、メンテナンスをすることが当たり前であったサーバーを低コストかつ手軽に保有できるものに変えたし、日本のサービスだと、SmartHRはほんの少し前までは紙で、今でも重厚なシステムで、管理されている労務周りのソリューションを非常に手軽なものに置き換えた。

つまり、デジタルベースのインフラを持つ上で専門性や資金力は必要なくなっているのだ。

SaaSの本質はここにある。

まとめると、SaaSはDXの担い手で、その価値はどんな企業でも開発なしに手軽かつ低コストなDXを可能にするという点が本質。

概念はtoCにおけるスマホアプリと同じだ。
ユーザーは特殊は技能がなくとも、スマホさえあれば音楽アプリがあれば音楽が聴けるし家計簿アプリがあれば家計簿がつけられる。toC向けのSaaSでいうと、Netflixがあれば一生懸命お金を貯めてテレビとDVDプレイヤーを買った後にDVDを買い集める必要もないし、寒い中レンタルDVDショップに走る必要もない。専門性の高い映画オタクにならなくても、ジャンルやレコメンドで面白い映画はいくらでも探せる。まさにDX。

これが対企業に広がっているというだけの話なのだ。
今や個人ではほとんどスマホを使って、アプリを使って生活しているように、今後ほとんどの企業がSaaSサービスを使って経営するようになる。



終わりに 

これはフロンティアの終焉で、ネット時代の最終フェーズ。
このDXが完了し、本当の意味でネットとITインフラがメインストリームになった時、人類総インターネット時代は始まる。

その流れは確実で、夢物語でもなんでもない。
将来人類はネットで全ての手続きをして、学習し、医療を受け、働き、友達を作り、遊ぶようになる。

そしてその先には何が待っているのか。
人類総インターネットはもう決定された未来。
そのさきの「何か」もまた、きっとすでに始まっている。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?