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大人になっても近視が進む?/失明につながる近視のリスク【後編】

前編では、近視の目の状態と、大人でも近視の進行に注意が必要な現状。そして近視に潜むリスクについて考えてきました。

目が前後に大きく伸びている“強い近視“と、目の奥がいびつに変形してしまう“病的近視“は、特に注意が必要な状態です。

さて、後編では、この“強い近視“と“病的近視“それぞれの注意点について、もう少し詳しく書いてみます。また、自分の近視状態をチェックする簡単な方法や、大人の私たちが、今後近視とどのように付き合っていけばよいのかについても、少し考えてみたいと思います。

▼目次【後編】
・強い近視と病的近視
・自分の近視状態を知るには
・まとめ

強い近視と病的近視

近視はいくつかに分類されます。

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近視は、まず単純近視と病的近視の2つに分かれます。今まで私たちが“近視“と呼んでいたものは、この“単純近視“のことです。

そして、この単純近視は、更に近視の強さの度合いから3つに分かれます(強度近視/中等度近視/弱度近視)。“強い近視“と呼んでいたものは、この強度近視のことです。

■病的近視の注意点
図のとおり、最も危険なのは病的近視の状態です。失明につながるリスクが高い状態です。

病的近視になる原因ははっきりわかっていないようですが、多くの場合、小児期から発症し、長い時間をかけて徐々に進行していくとのこと。

日本小児眼科学会理事長の東範行医長によると「病的近視は、子どものときには近視以外の症状は表れないので気づきにくい。大人になってから様々な問題が出てくる(※4)」そうです。

単純近視だと思っていたら、何十年か後に、実は病的近視だったってことがあるわけです。怖いです。ですから、自分が単純近視なのか病的近視なのかを調べておくことが、とても重要なんです。

■強度近視の注意点
そして、もうひとつ注意が必要なのが、強度近視から病的近視への変化です。

強度近視の場合、弱度や中等度近視に比べて目の奥の重要な組織がより強く引き伸ばされています。そのため、病的近視へ変化する可能性が高いそうです。

強度近視で更に近視が進行した場合などは、まず単純禁止なのか病的近視なのかを調べることが、とても重要です。

たかが近視と思ってメガネの度数を変えるだけにして放置しておくと、大変なことになるかもしれないんです。

自分の近視状態を知るには

強度近視や病的近視だと失明につながるリスクが高いのはわかりました。では、自分はどういった近視状態なのか?

繰り返しになりますが、眼科さんで自分が単純禁止なのか病的近視なのかを調べておくことが、とても重要なんです。

でも、やっぱりちょっと面倒ですよね。そこで、簡単なチェック方法を書いておきます。

■強度近視のチェック
強度近視の定義(※5)から計算すると『目から16.7cm以上離れたものはボヤける状態』となります。

つまり、自分の指の指紋が16.7cm以上離れてもはっきり見えていればOKです。ボヤけていると強度近視の可能性があります。…ちなみに、私はボヤけます(困)

■病的近視のチェック
病的近視の目安(※5)から計算すると『目から12.5cm以上離れたものがボヤける状態』となります。

つまり、自分の指の指紋が12.5cm以上離れてもはっきり見えていればOKです。ボヤけていると病的近視の可能性があります。…私は見えました!ホッとしてます(喜)

まとめ

チェックの結果、病的近視の可能性があったとしても、怖がらないでくださいね。眼科さんで確認したら、実際には単純近視だったという可能性も十分あります。

肝心なのは、自分がどのようなリスクを持っているのかを知ること、そして、自分の近視が持つリスクと上手く付き合うということだと思います。これが大人の近視との付き合い方だと思うんです。

「近視は、単に眼鏡やコンタクトレンズが必要な状態ではなく、失明に至る原因としての大きな“基礎疾患”で、高血圧や糖尿病と同じように、目の“生活習慣病”と言えます。定期的に眼科を受診して自分の目の状態を知っておくことが大事です
(日本近視学会 理事長/東京医科歯科大学 大野京子教授)

特に私のようなアラウンド40は、様々な身体の変化が出てきます。いや、出てきています(汗)。もちろん、目の中も大きく変化する時期です。自分の近視と上手に付き合って、大切な視力を長く良好に保ちたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※1:私たちの目が危ない “近視クライシス”(NHK)
※2:近視の常識が変わる!(NHK)
※3:病的近視とは?(日本近視学会)
※4:子どもの強い近視に要注意 「病的近視」失明も(日経)
※5:近視について(日本弱視斜視学会)
※6:近視の進行予防と治療(医新会グループ)


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