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脱Twitterのすすめ(論文の影響力について)

以前にも紹介しましたが、学術論文には、『オルトメトリクス(Altmetrics)』と呼ばれる、その論文の影響力を定量化した数値が表示されます。

一昨日、母乳中のmRNAワクチン量を調べた2つの論文を紹介しました。相反する内容の2つの論文に、驚かれた方もいたと思います。

しかしながら、実は、母乳中のRNAを精製するためのキットに違いがありました。裏を返せば、断片化した短いRNAを効率的に濃縮する『特殊な方法』を使わなければ、母乳からmRNAワクチンは検出されないということです。

では、この2つの論文のオルトメトリクスを見てみましょう。

まず、昨年7月の「母乳からmRNAワクチンは検出されなかった」とする論文の数値は、『2257』です。

そして、先日の「mRNAワクチンが検出された」とする論文の数値は、『18573』です。(9月30日現在)

論文の発表から数日しか経っていないにもかかわらず、母乳からのmRNAワクチンの検出を報告した論文の影響は凄まじく、特にTwitterで爆発的に拡散されていることが分かります。

47689人のTwitterユーザーにより、関連ツイート数は70571に上る。(9月30日現在)

ところで、興味深いのは、昨年の論文が日本で非常に話題になっている点です(全世界のツイートの23%)。

関連ツイート数の多い国が濃い青色で表示される。

この理由は定かではありませんが、日本は『水俣病』という悲惨な公害病を経験しました。そのため、「母親から『毒物』が我が子に移行する」ということに対して、特に敏感になっているのかもしれません。

今回、2つの論文のオルトメトリクスを比較すると、Twitterに流れる情報には大きな偏りがあることが分かりました。
Twitterでは、怖い情報は、より怖く感じられることでしょう。

私の記事は、反ワクチン・ワクチン懐疑派と呼ばれるような人たちにも読まれるでしょうが、心身共に健康でいたいのであれば、Twitterは止めることをおすすめします

短いですが、以上。

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