物書きを目指す人は、「真似る」という基礎訓練が必要。

「自分の言葉で書きなさい」という言葉をよく耳にしますし、ネットでも見ることがあります。当たり前すぎて、頭に残らないかもしれない言葉なんですが、物書きを目指す人は、特にライターを目指す場合、自分の言葉を使う前に基礎となる「他人の書いたものを真似る」作業が必要です。

ピアノを練習するなら「バイエル」(近年は使うことが少なくなっている様子)だったり、絵なら模写。書道、茶道。柔道、野球。手本となるものを「真似る」のが基礎です。そこから先が各々、自分のかたちができて行きます。

物書き、ライターの人たちも同じで、基礎は必要です。物書きの人には、たとえば、好きな小説や雑誌を隅々まで読む。何度も繰り返して読む。ということをしますが、学校で使うような教科書がないですから、好きな作家の文体。好きなライターの文体。これを「真似る」作業が基礎になります。何度も書き写し反復練習すること。

メジャーリーグで活躍するイチロー選手ですが、有名なメジャーリーグの選手たちでも、イチロー選手に質問する話をよく聞きます。これはイチロー選手の「真似」であり、イチロー選手の技や考えを「盗む」ということ。すでにメジャーで活躍する有名な選手でも、この有様です。

基礎は「真似る」です。それができて初めて「自分の言葉で書く」という流れです。

一般の人たちには「真似る」作業は必要ないでしょうが、物書き・ライターを目指す人の場合は、「読む」。そして「真似る」です。パソコンのメモ帳でいいので、何度も練習してください。

あと、ライターを目指す人は「書くスピード」も必要です。自分の上司だった人が学生時代に新聞社でアルバイトをしていたんですが、記者の人と会話をしている途中、「ちょっと待って」と言われ、いきなり原稿を書き始め、30分ほどで書き終えたそうです。どんな内容で文字数はどれくらいかなど、細かいことは聞いてないんですが、新聞は毎日発行されます。常に締め切りがあります。雑誌も同じく締め切りに追われます。書くスピードも大事です。

一度書いたものを削るという話もよくある作業のひとつですが、さらに練習をするなら、ひとつの記事を200文字で書く。400文字で書く。800文字で書く。これも練習になります。そして、頭のなかで考えが混乱した場合は一度、紙に書くがおススメです。

ブログと違って、新聞や雑誌はひとつの記事の文字数が決まっていますから、ライターを目指す場合、特に新聞の記事を「真似る」。そして、できれば四大新聞が扱う、同じ出来事の記事を比べてみる。どの新聞の記者がどんな点に注目しつつ、どんな文体の記事を書いているか、という違いもわかって来ます。

文章の練習の基礎は「真似る」です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?