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アントレプレナーシップを考える

最近よく「アントレプレナーシップ(起業家精神)」という言葉を耳にするようになったが、私自身理解度が高いかと言われたらNOである。レゴ🄬シリアスプレイ🄬の認定ファシリテータになって以降、教員以外の方と関わる機会も増えている中、どうにか自分の知見を広げることはできないか、と躍起になっていたところ、同僚の先生の勧めから今回キャリアガイダンス2023年1月Vol.445(リクルート)に行きついた。

「アントレプレナーシップ」とは、そもそも何なのか?

おそらく「起業」に対する資質やマインドを育てるもの、と捉えられることが多いだろう。そのため、「アントレプレナーシップ教育」に対して高校生段階で行う必要があるのか?一般的に教員が指導するには経験が足りないのでは?など課題や不安視される状況は少なくない。

神戸大学大学院の忽那憲治氏が言うには、「アントレプレナーシップ」の定義・要素は以下の3つである。

①課題に対して、前向きに向き合う姿勢
②自分のもっているリソースにとらわれない思考
③失敗を前提に行動し、失敗から学ぶこと

上記のように考えれば、高校教育においては無関係であるとは言い難い上、子どもたちが今後の変化の激しい世の中で自らの人生を切り拓いていくために必要不可欠な学びであると言える。

忽那氏が述べるように、日本が諸外国に比べて起業率が低いから、イノベーションや新規事業を起こしやすくするためのアントレプレナーシップ教育、という側面はあくまで一面に過ぎない。その本質は「どんな未来を自分の手で作り出したいか」にあるため、そう考えれば一部の人に必要な「専門科目」ではなく、これからの時代を生き抜くために必要な「一般教養」であることがわかる。

自分の文脈で考える

安心して失敗できる学校

高校現場でアントレプレナーシップ教育を盛り込みやすいのが、やはり総合的な探究の時間である。単なる調べ学習で終わらせるのではなく、「身近な課題設定」のもとトライ&エラーを繰り返しながら、またそのプロセスを楽しみながら生徒には成長していってほしい。そして学校として、そのような柔軟性や好奇心、「失敗を奨励する雰囲気作り」を心がけていきたい。

「自分自身を常にアップデートし、イノベーションを生み、社会に貢献する」

本校のスクール・ミッションは「自分自身を常にアップデートし、イノベーションを生み、社会に貢献する」である。これを考えればアントレプレナーシップ教育は本校生徒が学ぶべき資質であると言える。アントレプレナーシップ(起業家精神)はあくまで「精神」なので、教科書で身につくものではない。まずはやってみる、行動してみることが必要であろう。そのような雰囲気を生徒だけでなく教員も含めて学校内で作っていきたい。

また、イノベーションとは「新結合」であり、いわゆるコラボレーションによって発生するものである。その点、自分だけでなく「社会(他者)と関わる力」を育成しなければならない。是非、本校生徒には率先して学校外に目を向け、自分の世界を広げてほしい。そのためには、まず生徒と関わる教員が率先して学校外の人間と関りを持ち、知見を広げていくことが不可欠であると考える。

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