第一章から第二章へ~「アベンジャーズ」の始まり~
やっとたどり着きました。「アベンジャーズ」。フェーズ1の終了であり、アベンジャーズの始まりである。
「アベンジャーズ インフィニティウォー」からハマってしまったものだから、ようやく結成時の様子を観ることができて、ここからかあ……と感慨深い。
しかしですね、知ってはいたものの、シールドのフィルコールソンが。
*あっ。ここから既にネタバレあるので気を付けて下さい。
今まで、MCU(マーベル映画作品)を何本か観てきて、私は特別好きなヒーローがいない。ということを、以前書いたことがある。
特別好きなヒーローがいないのは、まあ全員好きだと言って良いくらいだからだ。みんな葛藤があって、人間味あふれていて、応援したくなる。そして皆、美しく、強くてカッコいい。自分が信じるもののために戦っている。そして平和を願っている。
だけど、特別に誰というのがない。あえて言えば、三人。一人は「ガーディアンズオブギャラクシー」のヨンドゥ。ヒーローではないですね。2で死んじゃうし。夫と息子が引くくらい号泣した。乱暴だけど息子思いで可愛いグッズが大好きな、情にあふれたおじさんなのだ。もう一人は「アントマン」に出てくる友人ルイス。これもヒーローではないですね。ただのお調子者のお喋りな可愛いヤツです。もはや普通の人間です。そしてもう一人がフィルコールソンだ。シールドのメンバーで、この人もヒーローではない。そして人間。ちょっとだけ強いけど。シールドのメンバーだから、頭がキレるし、戦えるし、武器も正確に使えるし、冷静。でもヒーローたちのことが大好きな、かわいいおじさんだ。
私はどうやら普通のおじさんが好きなようだ。そんなわけで、今回の悲劇にショックを受けた。
実は、フィルコールソンが殺されちゃうのは知っていた。でも実は生きていてドラマでそのシリーズまであることも知っている。近々公開される「キャプテンマーベル」に出てくるそうだけど、「キャプテンマーベル」は、過去の話から遡ってくるから、過去のフィルコールソンに会えるだけだ。
今回、ロキにやっつけられちゃう瞬間は、唐突で(いつだってそういうのは唐突だけど)、思わず「はーっ!」と引きの声が出てしまった。気が付くと私は手に口を当てていたので、そっと手を下ろした。映画館で観ていなくて本当に良かった。
……。悲しい。
フィルコールソンのことだけで長くなるから、そろそろ「アベンジャーズ」について書きましょう。
これも聞いてはいたけど、ロキが混沌をもたらす。ロキは北欧神話で混沌を表すのでそのままなんですが、「影の存在はもういやだ」と本当に混沌をもたらした。
段々と、アベンジャーズが出来上がっていく様子が、この映画でよくわかる。皆が結束していく様は面白かった。最初から彼らは言い争いがちだったんですね……。真面目なスティーブロジャースと、軽口ばかりたたくトニースタークがよくぶつかるのはわかるけれど、こんなに最初からだったのか。にしても、トニースターク出場シーンは、ACDCがかかり、カッコ良かった。
特典映像の中の未公開シーンではスティーブが現代社会を受け入れなければならないと生活する様子が切なかった。ソーとロキが時には話し合おうとし、すぐに戦いになることが今後も二人の関係が複雑になっていくであろう様子を物語っていた。ホークアイがロキに洗脳されそこから抜けていくシーンは苦しそうだった。ブラックウィドウがアベンジャーズの一員になるべく皆と戦っていたシーンはカッコ良かった。そしてハルク。彼の秘密は「いつも怒っている」ことだった。それをコントロールし始めたところは彼の成長を物語っていた。
そして、MCUの最大のテーマ。正義のために戦うことが本当に正義か。これが何度も問いかけられる。フェーズ1では特にこれが何よりも色濃く出ている。多くを犠牲にしながら守ること。より多くの犠牲者を出さないためにある程度の犠牲者が出ること。観る者は映画だからと割り切って観ているのであって、本当は割り切れない。このことをずっと問いかけられているようで辛い。
フェーズ2の後半からは、私にとってはもう親子関係ばかりが問題になっているように見えて仕方ないのだが、結局アベンジャーズが集まると、この「正義とは」を問いかけられる。これには簡単には答えは出ないだろう。私たちは考え続けなければならないことだ。ただ、身近なことで言えば、R.J.パラシオの「ワンダー」で書かれていた「正しい方と優しい方をどちらかを選ばなくてはいけなかったら、優しい方を選ぶのが良い」といったような言葉が好きだ。これは「アベンジャーズ」規模では対処できない考え方なのだけど。
いよいよ次からフェーズ2に入る。
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。