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友達と向き合う覚悟がまだ足りない

 迷ったのだけどやっぱり書いて載せよう。
 心の病にかかった経験のある方や、専門に勉強した経験のある方が読んでおられたら、これで良いのか、少し後押しをいただきたい。

 友達がうつ病になったと手紙を送ってきたのが何か月か前。
 私が「年賀状をやめることにしたのよ」とお知らせのカードを送って2か月後くらいのことだった。

 文字が子供のような幼さになり、偏やつくり、漢字のあらゆる部分が抜け落ちている。うつ病でそういうことが起きると知ってはいるけど、脳の萎縮や一部が働いていないのか。調べても個人差があるためわからない。
 検査をしたというけど、またやり直すとも以前、書いてあった。病院を変えるとか色々書いてあるのだけど、とにかく文が成り立っていないので、様子がわからない。
 お子さんに手紙を書いて、家庭の様子を聞くけど、「私は大丈夫です」と母親との、割と詳しいやり取りなどが書いてあった。

 それでも子供を不安にさせるような立ち入ったことまで聞けないから、あらゆる面において心配は尽きない。
 とにかく本人に返事を書くと、さらにその返事は戻ってくる。その後、何度もやり取りがある。でも書いてある内容の意味がよくわからない時の方が多い。ちょっと考えたらわかることも、「どうしてそんな風になるの?」と子供が質問するような内容を、子供が質問するように書いてくる。

 それに対して、私は真剣に返すべきなのか、真剣に返したら返って混乱させるのか。負担に思わないか。毎回、ものすごく迷う。

 もし彼女のお子さんがこれを読む機会があればと思って、詳しくは書けない。なんなら個人的にどなたかに相談したいくらいだ。


 私がダメになる気は全然しない。泣きながら読んでも、彼女を思う気持ちに余裕やすき間はある。意外と切り離して考えている。ただ彼女を支えることはできても、適切に対応している自信がまったくない。そして時々抱えきれなくて家族に話す。こうやって書いて、ここで読んでもらっているのだし、私なんて無責任で気楽なものなのだ。

 だけど。
 ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」をご存知だろうか。高度な知能を持つようになる彼が衰えていく様子は、身を切られる思いをしながら読む羽目になり、それを思い出す。
 この年齢でうつ病になると、このままアルツハイマーになったり、認知症に移行する方もおられるという。この年齢でと書きつつ、でもまだ若い。

 彼女は忘れるのではないだろうか。私を。私と喋った楽しかった時間を。彼女の心からの笑顔を。可愛くて優しい自分自身の笑顔を。
 それでも良い。彼女がその瞬間を元気に生きてさえいれば。とはまだ思えない。彼女を失うのがきっと私は怖い。

 それとも私が、彼女と向き合うのを怖がっているのだろうか。

 とりあえず、彼女から返事がなくなるまで、たった10行もない手紙の返事を書き続けてみる。
 正解はわからないし、「正しい」答えはないとわかっているけど。


 ごめんなさい。明日以降は全然違う明るい内容でいきたい。無理をしているのではなくて。本当は書いていた楽しい内容のものがあって、つい数時間前までそれをあげるつもりでいて。
 彼女と向き合う覚悟がきっと私には必要なんだ。


#エッセイ #友達 #心の病 #うつ病 #手紙 #向き合う覚悟

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。