話したいから聞いちゃう
一時期、「調べたらわかるじゃない」と息子に言われたものだった。
今どき検索したらすぐにわかるから、母が「これってああなのかしら」「わからないわあ」と困っていると「ネットで調べたらわかるよ」と私も言ってしまう。
私自身、本当に困ったり、どうしても知りたかったりしたらネットで調べる。
でも夫も私も、近くにお互いがいる時は「これってどういう意味?」「あれって何だっけ?」「どうしてそうなるんだろう」ってわざわざ声に出してから調べることの方が多い。
どうせ調べるのに聞いてみるのは、会話を楽しみたいからだ。
以前、「田舎なのに車が一台しかないから、家族で使い回す」と知り合いが言っていた。「そこのやりくりが、夫婦のコミュニケーションになったりしますよね~」と返しながら、自分でもずいぶん良いように考えているんだなと笑ってしまった。面倒な気持ちをかき消そうとしてそう思おうとしているのかもしれない。
都市部に住んでいる方にはピンと来ないかもしれないけど、田舎は車がないと買い物一つ行けない。バスは一時間に一台。最寄りの駅は歩いて一時間半。その間にスーパーや銀行、郵便局があったりなかったり。コンビニも一番近くて徒歩30~40分。
一家に二台、車がある家も多い。一軒家だと三台ある家庭も珍しくはない。
こんな場所柄で夫婦共に別々の仕事をしていたら、車二台ないと不便なんだろうな。でも私が外で働いていないから、不便であっても二台目はどうしても必要不可欠ではない。車はそんな安い買い物ではないので、ウチは車一台をやりくりする。
夫は出勤で必要だし、私は息子がいた頃は学校や塾、病院の送迎。今も自分の買い物や病院、銀行など。車がないと行きたい所へも行けない。
そんな時に「今日車を使う」とか「使わない」とか、夫も「明日は朝が早い」とか話す。
それに合わせてお互いがどう動くか決まる。
そうやって互いの都合やわがままを聞き合うのはちょっと面倒でもあるけれど、そこで会話が生まれる。
全部が全部そうじゃなくたって、「不便」てコミュニケーションのもとにもなる。
だから互いに疑問を共有して「こうなんじゃない?」「なんだっけ」なんて言いながら、「さあ検索しよっか」ってスマホやパソコンに向かう。
これからもわからないことがあれば夫と聞き合うだろうし、息子とも会話したくて聞いているんだよなあ。
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。