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カットのタイミングがわからなくなってきた

 あの緊急事態宣言からもう2年以上も経つのね。

 2年前と何が変わったって、リモートで人と話す機会ががぜん増えて、当たり前になった。全部がリモートでもなくなってきているし、状況はまた変化している。
 リモートだと遠く離れた家族と話せるし、習い事の選択肢も増えるし、学生時代の友人と話せるのも嬉しい。
 ただみんな部屋からで、仕事じゃないし、けっこうお気楽な恰好をしている。私も含めて。

 2年前はもう少し恰好に気を遣っていた気がするんだけど。
 昨年くらいからは「部屋の中だし」って互いにめっちゃ部屋着。ちゃんとした服装だと「どこか出かけてたん?」とか「これから仕事あるのん?」とか聞くほどになってしまった。
 しかも美容院に行くのを控えているので髪が伸びちゃって、お互いに「どのくらいのペースで行ってる?」「もうボサボサでさあ~」なんて言う。

 昨年末から数か月、パッと感染者が増えたので、12月に行ってから、美容院に行くのをだいぶ我慢した。

 でも4月頃、もう白髪具合もなかなかの壮観になってきただけでなく、ボリュームも霜降り明星粗品みたいにボサボサ大きくなってきたので「限界です!」とカットに行った。

 もう15年近くお世話になっている美容師さん。
 独立してからもずっと困っていた風に感じさせたことがない。雇う店員さんも少しずつ増えて、店舗面積も広げた。私はあまり雑談が得意ではないので、美容師さんと会話の相性が良いと思うともうずっとその人で続ける。その代わり、相性が良い人が見つかるまでは転々とする。雑談の相性が悪いって苦痛なので。

 「今年の1月とか、きっとお客さん少なかったですよね」と聞いてみたら「1,2月、少なすぎて、本当にもう店が保てないと焦った」と言っていた。そんなの聞いたの初めてだ。飲食店ではないから補助金が出ないのだ。そう言えば以前、鍼師さんもそう言っていた。客商売だからお客さん来ないと成り立たないのに、飲食店業界じゃないから補助してもらえないのだと。
 美容師さんは、苦しくてもうダメかもしれないと思い始めた3月を過ぎたくらいになると、かわせみさんみたいに「限界です!」って駆け込むお客さんが増えてきた。と笑っていた。

 そうか。申し訳なかったな。でも自分が知らない間に感染しているとしたら、店員さんを介して広げるのもまた怖い。誰かが自分のせいで重症化したら。
 「皆さんそう言います。そりゃそう思いますよね、わかります」とジェントルマンな彼は受け入れているけど、大変だっただろうな。

 それからまた2か月以上経った。いつもなら既にカットに行っているタイミングなのだけど。前回は何しろ4か月頑張れたのだ。まだ頑張れちゃうんじゃないだろうかと思ってしまう。

 そしてまた友達とボサボサ髪でリモートして笑い合うことになる。

 リモートじゃなく実際に外で会う人とも無頓着になりそうで怖い。気をつけなくちゃ。
 そろそろ予約入れよう。



読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。