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楽しみ過ぎて、つい考えてしまう

 「アベンジャーズ/エンドゲーム」まであと2週間と少し。
 頭の中は、ついつい「エンドゲーム」に占拠されてしまいそうになる。いえ、ちゃんと暮らしています。そこそこ忙しいです。考えることもあります。憂うつなこともあります。そして、ここにきてようやく少しずつ落ち着いてきてもいるので書けるという気持ちもあります。
 
 多分、HSPの部分がとても強く作用しているのだと思うけど、気に入った映画を観た時の私の入り込みようったら、客観的にみるとちょっと自分でも大丈夫かと思う。でも「ちょっと大丈夫か?」から「まあでも仕方ないや」への距離がとても短い。だってその時は入り込んでいるから。
 で、ほとぼりが冷めると、我に返って「わあああ恥ずかしい!!!」と、頭を抱えたくなる。そうなるまではもう自分でも抗えないのだ。

 本でもそうなんです。特にファンタジー入ってくると、おかしくなってくる。だいぶ前なので、ストーリーもほとんど忘れてきているけど、「指輪物語」にのめり込んだことがあって、夫に「これって本当にあったこと?」とアホみたいな質問をしたことがある。大人になった私がです。夫は、否定もせず「これに近いことはあったのかもねえ」と流してくれていた。一瞬「えっ。何言ってるのこの人」と、ちょっと引いたのを見逃さなかったので、後からその表情を思い出し、「ああシマッタ! またやらかしてしまった!!」と思ったのだ。時々やらかす。

 気に入った映画となれば、もうそれはそれは、世界に入り込む。だから一年程前に「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」を観た時に、もう絶望的な気持ちになって、何とかこの気持ちを前向きにしたいと、パンフレットを読み込み、他の作品を観ていこうと決めた。ただ全部観ることになるとは……。夫や息子もそうは思っていなかったと思う。
 
 20代半ばくらいまで割と好きで観ていたドラマを、段々と観ることができなくなっていったのも、「入り込む」ことが原因だ。次の週に観るまで、そのことで頭がいっぱいになり、日々の暮らしが疲れるのだ。
 最近は、一挙再放送、なんてことをやってくれることもあるから、おかげで話題になった作品を観ることもある。

 だから、MCU(マーベル映画作品)も、こんなことになるとは思わなかった。もし10年ほど前に、劇場で「アイアンマン」を観ようとして、これから10年程続きますと言われたら、観に行っただろうか。しんどいから、多分諦めちゃうと思う。
 でも「インフィニティ・ウォー」を観てしまったからには、あれやこれや芋づる式に気になって、「シビル・ウォー」を観た後「全部観なくちゃいけないね」と降参した気分になり、「ウルトロン」観た後「もう最初から順番に観ていこう」と覚悟を決めた。
 夫も息子も、気になるようだから、三人のスケジュールが合う時、そして三人とも体調が良い時を狙って、少しずつ観て、何とか「エンドゲーム」に間に合いそうだ。
 こんなに気の長い作業を続けるなんて、私にとってはしんどいこと。一年間、「エンドゲーム」のために映画を観てきたようなもので。ドラマのように続きが気になって仕方がない。

 ※インフィニティ・ウォーについてのネタバレがあります。


 「インフィニティ・ウォー」では、サラサラと消えていったメンバーがいたけれど、多分次では復活するはずという思いと共に、噂されているのが、初期メンバーが死んでしまうのではないかということ。それは、彼らが「次のエンドゲームで卒業するよ」というコメントを発表しているからでもある。
 HSPをなめないでいただきたい。「へーそうなんだ!」じゃ済まないのだ。それが怖くてたまらない。悲しくて寂しくてたまらない。だから「エンドゲーㇺ」の新しいトレーラー(予告)がツイッターで上がる度に、大騒ぎし、どうにか彼らが生き残る方法はないのかと考えてしまう。
 もう脚本どころか撮影も終えてあとは映画館で公開されるだけの段階で、あーだこーだと言ってしまうのだ。いや、何も決まっていない段階だとしても、私があーだこーだ騒いだところで何も影響がないのは当たり前だ。

 「自分にはどうしようもないことは、考えても仕方がないから考えないようにしている」

 とか普段そんなこと言っている私が、それはもうしつこく考えてしまう。
 息子と議論はするけど、息子がネタバレをあまり好まないことを知っているので、私にしては控えめに発言するようにしている(息子にとっては充分だろうけれど)。夫に至っては「映画だよ、そんなに悲しい?」「そんなに入り込まなくても」「映画だってば」と言うので、私が入り込むタイプであることを知りながらそう言わせるのは、よほど私がおかしく見えるに違いないと、割と我慢している。

 よって今回、影響が及んだのは、ネットで知り合ったMCU仲間です。

 彼女とは親子ほど歳が離れているのに、色々と聞いてもらってしまいました。こんな時のネットってスバラシイ。いや彼女には少々迷惑ではないかと思われるのですが。これだけ年上のおばさんがやいのやいの言ってきたら無視できないだろうし、申し訳なかった。

 でももうどうしよう。何やっていても「エンドゲーム」のことが気になる! 考えても仕方ないのに!!! こんなことでは困ります。と思っていた頃、ようやく少し落ち着いたことがあった。

 それは、やはり最新トレーラーを観て。

 MCUは、徹底して情報を流さない。少しでも漏らした俳優には、次で誰と会話しているかわからないような台本にしたりする。日本語吹き替えの声優も、マネージャーやスタッフ全員を部屋から出して、声優一人で仕事をこなすことになる。
 それだけ気を遣っているのに、最新トレーラーで、割と内容を示唆するような会話を流した。えっそんなこと言ってるの? じゃあインフィニティストーンの効力は落ちていないの? まだ使えるの? ……こんなことまで公開しちゃって大丈夫なの?

 大丈夫なんでしょう。
 だから流したんでしょう。

 つまり、これだけ予告を公開しても、ストーリーに何ら影響はないってことです。
 つまり、予告公開したのを観てあーだこーだと言ってみたって、ストーリーは私たちにまったく予想できないってことです。

 ここでようやく落ち着いてきた。
 予想しても、妄想しても、何の役にも立たないと、心から思い知らされたのだ。
 もしかしたらヒーローの誰かが死んでしまうかもしれない。私の大好きなヨンドゥやフィルコールソンだって死んできちゃいました。だから覚悟はしないといけない。でも基本的に「誰も死なない!」と思って臨むこととする!
 
 私の友人が、この前「ようやくインフィニティ・ウォー観たけど、希望しかなかった」と言っていた。あんなに絶望した私とは違い、彼女はインフィニティ・ウォーを観たそばから「きっと誰も死なないと思う!」と伝えてきた。人によって観方はそれぞれなんだと思うし、心構えもそれぞれ。ストーリーがどうなっているかなんて、どうしたってわからないのだから、その気持ちで良いじゃないか。
 ようやくそんな風に思えるようになった公開2週間ちょっと前です。

 この夏「スパイダーマン/ファーフロムホーム」があって、もっと先には「ガーディアンズオブギャラクシー3」もジェームズガン監督で撮ることが決まっているし、まだまだMCUは面白いだろう。早く「エンドゲーム」は観たい。ただこれで一段落する寂しさもある。
 「インフィニティ・ウォー」から一年、MCUにハマり、気持ちが若返ったものです。スタン・リーのように、歳を重ねてもずっとワクワクしている人でいたいと思っています。
 
 ところで「エンドゲーム」ってチェス用語。チェスの終盤局面、ゲームの終わらせ方のことを言うらしい。コマが少ない分、ミスをした方が負けなので、一つのミスが命取りになるそうです。引き分けになることが多いんですって。
 ……。
 ああ、もうあまり考え過ぎないでおこう。あとちょっとなのだから。


#エッセイ #映画 #エンドゲーム #インフィニティ・ウォー  #HSP #頭がいっぱい #憶測

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。