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[イベントレポート]体育館が熱狂的なライブ会場に! ジャズを通じて子どもたちに伝えたい「音楽を自由に聴く」経験

かわさきジャズでは毎年、川崎市内の小学校で出張ライブを行っています。コロナで中止になった年もあったため、今回で7回目。毎年1つずつ区を周ってきたので、今回で7区全てをコンプリートすることができました。

川崎市で最も古い小学校

10月19日に伺ったのは、川崎市で最も古い歴史をもつ宮前区の川崎市立向丘小学校。
寺子屋をルーツとする同校は今年で創立151周年。創立年の明治5年は、新橋横浜間に鉄道が開業したのと同じ年です。現在は600名あまりの児童が学んでいます。

出演メンバーは福本純也チョコ・ラ・テ・ピアノトリオの皆さんと、歌のマヤコさん。名前の通り、チョコっとラテン風味が入ったジャズバンドです。
テクニックに裏打ちされた多彩な表現で魅了する実力派ですが、学校公演も経験豊富。子どもたちに音楽の楽しさを伝えています。

福本純也(ピアノ)、坪根剛介(パーカッション)、東野恵祐(ベース)、マヤコ(歌)

チック・コリアの名曲「スペイン」で始まったライブは、最初から大きな手拍子が起こるほど、音楽を積極的に楽しもうという雰囲気に包まれてのスタート。ゲームやアニメの主題歌などをラテンアレンジした曲で踊ったり、歌ったりと徐々に乗ってきた子どもたち。同じ曲でアレンジを変えてメレンゲやファンクなどラテンのリズムを感じたり、数名の子どもにキーボードで参加してもらって「きらきら星」を演奏したり。

児童が演奏するきらきら星のメロディにカッコいい伴奏をつけて、即席セッション!

ラテンはもともと踊るための音楽なので、必ずしも静かに聴く必要はありません。子どもたちも思い思いに体を動かしたり、掛け声がかかったりして、どんどんにぎやかになっていきます。でもみんな音楽に集中しているので、たのしい大騒ぎ! まるで初来日のロックスターが来たかのような、熱気あふれるライブになりました。
一方で、大きな音や大騒ぎが苦手な子もいます。座ったり、距離をとったりしつつ、その場の雰囲気をそれぞれにたのしんでくれていたようでした。かわさきジャズの学校公演ではそれももちろん、OK! 
最後は恒例の、校歌をジャズアレンジの伴奏で大合唱!全員が知っている曲だけに、いっそう盛り上がります。

自然と肩を組んで歌うグループも

陽気なラテンのリズムに乗って、子どもたちが身体全体を使って楽しんでいる様子に、先生方も驚かれた様子でした。
かわさきジャズとしても7回目にして、ここまで盛り上がったのは初めての経験。体育館がまるでライブ会場になったかのようでした。

演奏したピアニストの福本純也さんからも翌日に感想をいただきました。

向丘小学校の雰囲気がとても良くて、子ども達は「音楽を楽しんで聴く」という聴き方を知ってる気がします。自然と手拍子が出たり、踊り出したり、学校公演でここまで熱狂的に盛り上がったのは初めてで、とても嬉しかったです。みんながニコニコ聴いてくれていて、特に高学年はたいてい、恥ずかしい等の気持ちから動けなくなることもあるけれど、向丘小学校の高学年は、どんどんほぐれて爆発的なパワーで盛り上がりましたね。
「音楽を自由に聴く」という経験をしてくれたことが本当に嬉しかったです。踊ってもいい、拍手したっていい、好きな曲で盛り上がって楽しめる時に自分の好きなようにその空間で時間を過ごすという経験。
今まで彼らがそのような経験をしてきたか分からないけれど、昨日の経験をしたことによって、ライブ(生演奏)が楽しい、と思ってくれたら今後、ライブを聴きに行ってくれると思います。
ミュージシャンとして、そういう形を昨日は作れたと思います。それが、僕たちが若い子(次世代の子どもたち)に伝えたいことです。

かわさきジャズは、子どもたちにライブの楽しさを実感してもらえる体験を、これからも提供していきます。

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