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[イベントレポート]いろいろねいろJAM② ワークショップで音楽づくり

川崎市では、「いろいろねいろ」をキーメッセージに、市内の学校、施設、イベント等の身近な場所で、多くの市民がインクルーシブ音楽に触れる活動を展開しています。
かわさきジャズは昨年、障害のある人の音楽アクセス向上に取り組む英国のアート団体ドレイク・ミュージックの協力を得て、東京交響楽団との協働により障害のあるなしに関わらず誰でも参加できる音楽ワークショップ「かわさきBRIDGEオーケストラ」を実施しました。今年もその続編として、川崎市との協働により「いろいろねいろJAM」を10月14,15日に開催。その様子をお届けします。(この記事は全3回の第2回です)第1回はこちら

初めての人も、再会の人も

10月14日午前10時。一般応募で集まった20名の参加者のみなさんが続々と集まり始めます。今日は参加者のみなさんと翌日川崎ルフロンで演奏する音楽をつくる日です。今年も、ファシリテーターのベン・セラーズさんがひとりひとりを出迎え、緊張をほぐします。初めての人もいれば、昨年の「かわさきBRIDGEオーケストラ」に参加したリピーターの人も。

今年もワークショップ会場は南河原中学校をお借りしました。
武道場の中では、すでにミュージシャンたちがウェルカムミュージックを奏でています。楽しいリズムに気分が上がります!

このワークショップは、誰もが音楽に参加でき、楽譜もつかわないので間違いはありません。まずはミュージシャンと一緒に、音を鳴らしたり、セッションの中に入ったり。

真ん中で演奏しているのは「テルミン」。
空中の手の位置で音程や音量が変わる、不思議な電子楽器です。
手を動かせばだれでも指揮者。音量や雰囲気を体で伝え、
受け取ったミュージシャンも自由に表現します。

グループワーク

今回は、3つのグループに分かれて音楽づくりに取り組むことになりました。
それぞれプロミュージシャンが数名ずつサポートで入り、ファシリテートします。

1.「上を向いて歩こう」
2.「シヤハンバ」
3. 「  ?  」

「上を向いて歩こう」は川崎が生んだ大歌手・坂本九の言わずと知れた世界的ヒット曲。「シヤハンバ」は南アフリカの合唱曲。そして3番目のグループは、無題。つまり、自分たちで曲を作る!というもの。
参加者のみなさんはグループを自分で選びましたが、3つとも同じくらいの人数が参加することになりました。
いずれのグループも、楽譜は使いません。演奏は、自分が持ってきた楽器であったり、用意してあるものから自由に選びます。歌う人もいます。

今回、世界ゆるミュージック協会より誰でも演奏がかんたんな「ゆる楽器」もご提供いただきました。楽器演奏の技術習得は大変な時間がかかりますが、ここではそうしたハードルの低い楽器を用意し、楽器で遊ぶように音楽ができる環境をつくりました。

手前に並んでいる楽器は、参加者がどれでも自由に使えます。
「上を向いて歩こう」グループ。重症障害児支援システムEyeMoT Sensoryを使って、
目の動きでピアノの音を演奏する子も参加しました(右下)
「シヤハンバ」グループ。全員が打楽器を使い、アフリカのリズムをベースに
それぞれのソロ演奏も入れていきます。
ゼロから曲作りをするグループ。みんなの川崎への思いなどをききながら、音を出していきます。

作曲グループが作った曲は、「かわさきの思い出」。参加者のアイデアによる「ド派手!」という歌詞に合わせた元気な曲ができあがりました。
ワークショップは正味3時間。この間に、グループごとの曲のほか、ウェルカムミュージックや「マシュ・ケ・ナーダ」を川崎風にアレンジした曲などをリハーサルし、終わるころには参加者もだいぶお疲れの様子。
ぐっすり休んで、明日の本番に備えます。

インクルーシブ音楽プロジェクト「いろいろねいろJAM」|かわさきジャズ (kawasakijazz.jp)

Photo by Taku Watanabe