見出し画像

専門性のないジャンルレスが強い?石戸諭さん×古賀史健さん「ライターの未来——だれもが書き手になる時代、あなたは何を書くのか」 #ライターの未来

ジャンルレスでいいじゃないか。石戸諭さんの言葉は意外だった。

ノンフィクションライターの石戸諭さんとライターの古賀史健さんの対談(noteイベント)を聞けたのでレポートします。

アーカイブもあり、公式レポートも公開されるので、個人的に刺さった箇所をふりかえります。

ジャンルレスでいいじゃないか(石戸さん)

わたしの仕事は専門分野のあるオウンドメディアの担当です。そのため、特定のジャンルを持たない=ジャンルレスが強い?と驚きました。

石戸さんの仕事の方針「基本的に断らない」にもつながっています。

専門性が高い分野は、多くの読者もよく知りません。知識のないライターは読者と同じ目線で書けるのが強みになります。

最近のWeb関連のライティングでは専門領域があると文字単価が高いといわれるのと逆の発想。専門性が邪魔をするのです。

古賀さんも同じ発想で若手のライターに「苦手な分野にいってみろ」といいます。

大変だけど思わぬものを得る可能性があるからです。

漫画家・西原理恵子さんのエピソードも飛び出しました。

古賀さんは「他人が得意を見つけてくれる」と。

(ダレカ、ボクノ「トクイ」ヲ、ミツケテクダサイ…)

ジャンルレスについてのほかの参加者のTweet

ほかのかたも「専門性のないジャンルレスの強さ」がささったようです。

続いて、ぐさっと刺さったのが個性の話です。

目指した個性は模倣(古賀さん)

わたしは記事のタイトルや冒頭、切り口をひねるのが自分の味だと思っていたのです。

この記事がどこにいくのか、読者のかたを不安にしていたかも…。

さらに「まじめさ」も重要なキーワードでした。

まじめであることが生存条件(古賀さん)

ライターに限らず、職業人としての生存条件に「まじめさ」があると。

「まじめさがないと最後にはつぶれてしまう」とも。

大谷翔平さんや久保建英さんが出てきて、ぐっとわかりやすくなりました。人生をささげているか!です。

(なお「進撃の巨人」では心臓をささげます…余談)

年齢を問わず、プロフェッショナルでなければならない。そういわれた気がします。

対談のあとの質疑応答は、ライター業のかたやライター志望者からの質問が殺到しました。

「誤字脱字」に悩むライターへのアドバイスは特に熱かったです。

誤字脱字防止法

紙媒体で仕事をしてきたお二人は誤字脱字を防ぐためにありとあらゆる手段を駆使せよと熱かったです。

ところで古賀さんの著書『取材・執筆・推敲』は21万字の大著。誤字は…?

1文字。

21万分の1。

それでも古賀さんは初版を買ってくれた読者のかたへ申し訳ないようで、このときは声が暗かったです。

なぜジャンルレスが刺さったのか

今回のイベントは、トーク60分と質疑応答の予定だったのが、トーク70分と質疑応答50分の合計2時間。

ライター論やライターの技術、どう働くか、何を書くかなど、話は広がりました。

それでも最初に「ジャンルレス」を紹介したのは理由があります。

数日前に耳にした話と見事にシンクロしていたのです。

やりたいこどだけをやらない(ブックライター上阪徹さん)

数日前、ブックライターの上阪徹さんのセミナーを聞きました。

上阪徹さんは取材して書き上げた本が60冊以上(公式サイトのプロフィールの数字ですが、もっと多いはず)の日本を代表するブックライター。

仕事のスタンスは石戸諭さんと同じでした。

仕事は断らず、やってみる。
やってみたら面白いかもしれない。

わたしは自分の得意な方面に逃げ込みがちなので、ザクザクに切り刻まれた気分でした。

いまも、今回のタイトル「だれもが書き手になる時代、あなたは何を書くのか」が脳内リフレインしています。

メンタルが回復したらもう一度アーカイブを

ライター業やライティングに興味のあるかた、ぜひアーカイブを視聴してみてください。当日参加したかたのTweetをまとめたtogetterもあります。

豆腐メンタルなわたしも、この週末に再視聴します!

公式のイベントレポートも


この記事が参加している募集

面白いものを見つけて写真を撮れたら投稿します。世の中、面白いものがたくさんあるのに、消えてしまうのがさみしくて。