【過干渉ケース】対応解説
かわのです。
教育感度が高いうちに、ケースごとの対応解説をしていきます。
前回の記事では、自己肯定感のために大事な対応があり、それは親御さんの状態ごとに違うと書いた。
過干渉になってしまうケース
➡︎仮説:親御さんの不安が強く、期待値が高い
➡︎必要対応:①自分の期待の言語化
② ①に優先順位をつける
③ 子供へのヒアリング
(例:心配性なママ、一家をまとめているパパ)
こどものことは任せているケース
➡︎仮説:子育ての理想がわかりにくい
➡︎必要対応:①第三者からのヒアリング
② ①を通し自身の経験の言語化
③ ②から自分の考えの言語化
(例:子育てはママに任せるパパ、楽しんでくれればいいと感じている方)
では、上から必要対応の解説を。
①自分の期待の言語化
過干渉な親御さんの多いケースが、「期待している事項が多すぎる」。
目につきまくってしょうがないんです!て感じ。元目につきまくるこどもの私としても、気持ちはわかります。
期待というのは結構複合的なものでできていることが多い。
例えば、以下のケース。
■「もっとしっかりしなさい!」
なぜなら
➡︎散らかしっぱなしで部屋が汚ない
➡︎注意を受けても返事がない
➡︎忘れ物が多い
上記感情を言語化すると。
■「もっとしっかりしなさい!」
なぜなら
➡︎散らかしっぱなしで部屋が汚ない
┗共通の部屋が汚いと家族が歩きにくい
➡︎注意を受けても返事がない
┗話が伝わっているのか、不安になる
➡︎忘れ物が多い
┗忘れ物で他人に迷惑をかけたりこども自身が困るのでは
こうなりますよね。
ちなみに、ここの自分の感情の言語化に関してはこっちの記事で書いてるのでご参考までに。
(前記事:感情と向き合う)
でも、そもそも人は自分にとってのデメリットを感じないと、自分のキャパシティ以上の成果を上げようと感じられない。
例えば、部屋をきれいにしないのは本人は別に困っていないから。とか。周りに言われても、自分にとっての損を体感できなければ、変えにくい。(これ、こどもだけの話じゃないけど)
そこで、必要対応②の優先順位が出てきます。
②優先順位をつける
優先順位をつけてまずこどもにとって1番損と伝わりやすいことを決める。
その上で、他は順番が回るまで妥協点を見つける。
■「もっとしっかりしなさい!」
なぜなら
➡︎散らかしっぱなしで部屋が汚ない
┗共通の部屋が汚いと家族が歩きにくい
➡︎こどもの荷物入れを置いて、
そこに入れられたらOKにしよう
➡︎注意を受けても返事がない
┗話が伝わっているのか、不安になる
➡︎最初の一回で言えなくても、
聞き返して返事が返ってくれば
OKにしよう
(褒めて行動強化すると尚良い)
➡︎忘れ物が多い
┗忘れ物で他人に迷惑をかけたりこども自身が困るのでは
➡︎最優先事項
あなたが怒られてしまうこと、
他の人に嫌な思いをさせて失望される
ことが心配。
(こどもにとってのデメリット)
褒めて行動強化というのは、
上記の例で言うなら
「〇〇してね。」
「…」
「聞こえてる?」
「うん」
「応えてくれてありがとう。聞こえてるか不安だったから、安心したよ。」
というイメージ。
ちなみに私の経験上「あれ、聞こえてる?」というと、一回か二回で大体こどもは返事するか聞き返す。
〇〇してくれてありがとう、と具体的な行動を伝えながら褒めることで、その子にとってその行動が成功体験になる。
難しいけど、「最初から返事してくれればもっとよかった」「聞こえてるなら返事すればいいのに」とは言わないでください。「あー返事しなきゃよかった!」になりかねないので。
でも、言われてできるなら一回言われたら克服してるよね。つまり、その子の対応できる注意に対して対応できないキャパシティを求めているこということ。
というわけで、③に突入します。
③こどもへのヒアリング
例えば、先ほど優先順位をつけた忘れ物についても、以下のようにブレイクダウンできる。
■要求のゴール像
忘れ物をなくして欲しい
∨
■要求の過程
前日に持ち物チェックをして欲しい
∨
■要求の為に必要なきっかけ
毎日夕方に持ち物チェックの時間を取ることに気付いて欲しい
これと、先程のこどもにとってのデメリットと併せて伝え、ヒアリングする。
ヒアリングなので、
・あくまでもこどもに事実を気付かせること
・こどもが壁と感じることに気付いてあげること
・壁と感じることは環境から改善すること
を大事にして欲しい。
■事実の確認
「最近、忘れものすることはある?」
「うーん、3回したかな。」
■承認と本人の感じていることを聞く
「そうなんだね。それで困ったりはする?」
「隣の子に借りられるから大体平気。先生には注意されたかな」
■視界を広げ、デメリットを伝える
「でも、その子にとって嫌な思いはしないかな?
〇〇だったら、いつも借りればいいやって思われて毎回頼られてたらどう思う?」
「ちょっとイヤかも」
「そうだよね。先生も、その子の気持ちを考えて伝えてくれたんじゃないかな。〇〇がいつか先生にもっと怒られて悲しむのも、私は嫌だな。」
「確かに」
■ゴール像を共有し、壁を一緒に見つける
「じゃあ、忘れ物は少なくなった方がいいよね。そのためにはどうしたらいいかな」
「前日に確認した方がいいかな」
(ここが出なかったら複数案出して選んでもらう)
「そうだね。じゃあ、それは毎日やることを思い出せそう?」
「いや、忘れちゃうかも。」
■承認と環境改善案を出す
「確かにそうかもしれないね。じゃあ、忘れないために食卓にメモを貼っとこうか。(視覚効果)難しかったら、アラームつけてもいいかもね(聴覚効果)」
それでも難しい場合は、さらにゴール像を低く設定し直して、こどもが一人でできて欲しいところとこちらがサポートするところのラインを変えることも大事。
もしくは、この場合でいう「アラームなどで気づけるけど、その後の行動に移れない」などが発生した場合は、「持ち物確認のやり方」に何か問題があるということになる。
どうですか?ここまで、1人でできそうですか?
私だったら、担当のこどもにはできるかもしれないけど、自分のこどもはできないかも。
だって、自分のこどもだったらより思い入れが強いから。
でも、親にここまで自分の気持ちをしっかり聞いて向き合ってくれたことや、「できない」を受け止めて認めてくれたら、もっと自分の弱いところを開示していけるようになるかもしれない。
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