【東京五輪】日本の野球とサッカーの差は? 「底力」を考える
新型コロナウイルスの感染におびえつつも、テレビ観戦で盛り上がっている東京五輪。その中で強敵を撃破したサッカー男子と、初戦でサヨナラ勝ちをした野球を見て感じることが一つ。勝った試合をうまく終わらせる力、劣勢をひっくり返す力の差を感じます。「マネージメント」「底力」と置き換えてもいいかもしれません。
日本のワールドカップ初出場の前からずーっと見ていて思うのですが、日本サッカーの進歩は、とてもスゴイものがあるのは確かです。ですが、強豪相手に「よく頑張ったね」で終わるのも確かで、勝っても危なっかしいことが目につくのです。ロシア・ワールドカップ杯の話になりますが、世界最強の一角・ベルギー代表相手に一時は2対0でリードしながら追いつかれ、アディショナルタイムに逆転弾を食らいました。フル代表すら「試合運び」に「甘さ」があるのです。もちろん「相手が強く本気になっている」というのもあるのでしょうが、もったいない負けも目につくのです。
一方でドイツやイタリア、ブラジルなどのサッカー強豪国は、技術やパワー以上に、終盤の「勝負強さ」が抜群です。「勝負どころ」を心得ています。「技術」とは違うこの差は何だろうか?と思うのです。
しかし野球の代表チームには、「勝負強さ」をしばしば感じます。劣勢でも選手たちが落ち着いています。まあ過去の五輪での成績は期待通りとはいきませんが、なんだかんだでメダル圏内にはいるわけで、応援する側も勝つのは当たり前と考え、ごく当然のように金メダルを期待するわけです。
日本の野球と、日本サッカーに抱くこの差は何なのかなと。それは積み上げた競技としての「歴史の差」と国民的スポーツとしての「定着の度合い」だと思ったのですね。
南米や欧州のプロサッカーの歴史は100年以上ですが、プロ化約20年の日本サッカーが肩を並べるのは少々虫が良すぎるのかもしれませんね。そういえば、プロ野球はかれこれ80年以上の歴史があります。
スポーツの質は、大人と子供も含めた選手の数だけでなく、プレーをせずとも観戦する人たちの数、そして彼らの見る目が肥えるほど強くなるのでは……と思ったりします。幼いころから良質のプレーを間近に見て、感じる効果は、とても大きいのかもしれませんね。
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