マガジン

  • 自分の話

    小説以外の自分の趣味や思い出などの話です

  • めざせ小説家

    小説家目指していろいろ書いてるやつです

  • メッセージ

    僕からのメッセージです

最近の記事

蟹カニバリズム

あるところに蟹が大好きな青年がいました。 彼の日々は蟹で溢れていました。朝ご飯にはスライスした蟹肉と新鮮なレタスを挟んだサンドイッチ、お昼ご飯には特上の蟹のお寿司を、夜ご飯には蟹まるまる一匹を生きたまま煮詰めた蟹エキスたっぷりの特製蟹鍋を食べました。 ごはんの時以外も蟹でいっぱいです。画用紙の隅まであますところなく蟹の絵を描き、サングラスをかけた蟹が主人公の古いアクションゲームをプレイし、眠るときはタカアシガニのクッションを抱いて眠りました。ここだけの話、彼はもういい大人

    • vs足伸ばしおじさん

      室内には大人の男が裸で並んで座っていた。 そこはとても暑く、いる者はみな滝のように汗をかき苦悶の表情を浮かべている。前の方に配置されているテレビではクイズ番組が流れていたが、暑さのために内容はイマイチ頭に入ってこない。 時計を見ると針は4を指していた。たしか入ったのが8だったはずだからもう8分程この暑い部屋に居ることになる。ずいぶん汗をかいたし、暑さにだんだんとイライラしてきて頭をかきむしりたくなる。そろそろ限界だ。 俺は立ち上がり、裸で座る男達の間を縫って部屋を出た。

      • 過酷な派遣バイト中に歌のすばらしさに気付いた話

        今から5年くらい前のこと。俺は日雇いの派遣のバイトをしていた。 高校を卒業して最初に入った会社を2年ほどで辞め、少しニートをした後プログラミングの職業訓練校に半年通ったのだが終了後はなかなか就職先が見つからず貯金も底を尽きたため、次の就職までの繋ぎとして短期の予定で始めたバイトだった。 このバイトは正直かなりきつかった。 バイトを始める際に親父に報告したのだが、親父は「派遣はきついからやめとけ」と言っていた。そんなこと言われてももうお金ないしなあ。と親父の意見を無視して

        • ファンが出来ました

          先日バイト先の人の送別会があった。 俺を合わせてアルバイト4人と、その人と仲のいい常連さん1人(以下Kさんとする。Kさんはとても明るい30代前半の男性)でのささやかな送別会だった。 俺は今のバイトを始めて2ヵ月程しか経っておらず、正直その場にいる人達とそこまで関係性は深くないのだが、お酒の力も借りてその場を楽しんだ。開始が少し遅かったこともあって、結局その送別会は朝まで続いた。 外も明るくなり店も閉まる時間になったのでみんなで店を出て、外で少し立ち話をしていると、Kさん

        蟹カニバリズム

        マガジン

        • 自分の話
          3本
        • めざせ小説家
          3本
        • メッセージ
          1本

        記事

          水飴おじさんの話

          子供の頃、地元の公園に水飴を売りに来るおじさんがいた。 週一くらいの頻度で軽トラに乗って公園に来て、プラスチックのコップに水飴を半分くらい入れて、たしか200円くらい?で売ってくれるおじさんだった。 自分の地元はまあまあな田舎で、コンビニすら近くに無かったので そのおじさんが来た時は、水飴を求めた子供達で公園は賑わった。 ある日自分が公園で遊んでいると、その水飴おじさんが来た。 すぐに子供達が水飴おじさんの軽トラの周りに集まって、水飴を買って食べだした。 自分も食べ

          水飴おじさんの話

          高校デビューは "カッコイイ"

          4月も半ばに差し掛かりました。新生活にも徐々に慣れてきた頃かと思います。 今年高校生になった人達はどうでしょうか。 高校デビューはうまくいってますでしょうか。 失敗して、折れそうになったりしていませんか。 高校デビューっていうのは結構馬鹿にされるものです。 自分が高校生の時も、高校デビューしようと無理をしている同級生を馬鹿にしていました。 そういうもんです。 でもあなたは全然恥ずかしくありません。 むしろかっこいいです。 自分を変えようと努力しているのですか

          高校デビューは "カッコイイ"

          違和感

          ある朝、目が覚めた時になにか違和感を感じた。下腹部の辺りに妙な違和感。痛いわけではない。腹の調子が悪いのかと思って、さすってみるがなんてことはない。少しお腹が空いているだけだった。 朝食を食べようと体を起こした。立ち上がっても違和感は無くならない。考えても仕方がないので、部屋を出て階段を降りた。 居間に降りると、母が縁側で目を開けたまま横になっていた。おはよう。と挨拶すると、こちらの方を見て少し微笑んでおはよう。と返してくれた。 外を見ると、雨は降っていないが晴れ間は一

          違和感