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源氏物語を読みたい80代母のために 18

 またもや間が空いてしまいましたが、母子ともに元気にしております。
 実はこの度、ついについに!
 翻案源氏物語「ひかるのきみ」完結いたしました!
 源氏物語五十四帖、ぜんぶです!
 実にスッキリ爽やかな気分!
 今を去ることうん十年前に大学で国文学を学び、源氏物語ももちろん習ったものの卒論のテーマに選んだわけでもなく、チョロっと講義を聞いただけ、原典購読もごく一部だけ、ストーリー詳細は「あさきゆめみし」で知り、そこから様々な訳本を読んだ、という正真正銘ズブのど素人の私。なのに本編を十二冊、宇治十帖を五冊、いずれも新書版で計十七冊分も書いてしまった……正直自分でもドン引きです(笑)。
 きっと解釈がオカシイところもあるし、全くの勘違いみたいな部分もあるんだろうし、実際自分でも今読み返すとうわああああってなる部分は多々あります。それでも、全部書き上げたという達成感はとてつもない。素直に嬉しいです。
 なぜそこまでしたんか私?

 ひとつにはやはり「源氏物語」という日本を代表する超ロングセラーそのものがもつ力。読者の存在。そして私自身のオタク気質。
「源氏物語」の素晴らしさはもう言うに及ばず。古今東西、大勢の作家さんたちが訳したくなった気持ちがよーくわかりました。
 これは、ハマる。
 一度入ってしまうと容易なことでは抜け出せない吸引力。二千年もの時空を超えた世界で誰もが遊ぶことができる、小説というものの力を思い知らされました。

 読者といえば、いったいどれくらいの人がブログを読んでくださっていたのかはわかりませんが、紙の本を送っている我が母(80代)含む少なくとも三人はいます。いつも速攻で読んで感想を送ってくれる国文学科仲間のPちゃん!いつもありがとね!いやホント、物凄い力になりますね。レビューなんかもちゃんと著者作者に届くように書いたほうがいいんだろうな。ブログでこそこそ書いてないで(ヘタレ)。
 そして、今何かと多忙な母(現役和紙職人)はまだ宇治十帖の途中らしい。最終巻はもう出来上がって昨日送付したので、どんなにゆっくり読んでも今年中には読破できる……かな、多分。
 そうそう、なんと母、
「今なら漫画も読めそうな気がする」
 とのたまったんですよ!
 よろしい、ならば贈りましょうアレを!
 80代にして人生初漫画、コレしかない!

 雑誌掲載時のカラーを全部再現した、大きなサイズの超豪華版全十冊。お誕生祝いも兼ね、贈りましたとも!経済回ったね!
 速攻で電話が来ました。
母「何コレ!高かったんじゃないの?!」
私「だいじょぶだいじょぶ、割引とポイント全投入したから。それより、初めの方はかなりアレンジしてるから私の書いたのとは違うよ」
母「あーそれは大丈夫!話わかってるから、スラスラ読めるわ!絵も綺麗で素敵!ありがとね!」
 なんと、一般人の逆バージョンを行きました母。
 訳本を読んでから漫画が「読める、読めるぞ……!」になるとは。ウケる。
 なんにせよ「源氏」を満喫出来ているようで良かった良かった♪
 再来年の大河も紫式部だし、来てるね平安時代!

 そんなわけで、「ひかるのきみ」全17巻は今BOOTHに置いてあります。
 完結したのが嬉しくてつい店を開いてしまいました。すべてダウンロード版(縦書き、EPUB3)です。
 本編の「壱」と「弐」は無料で置いてありますので、よろしければアカウント登録してお試しください。感想もいただけたら嬉しいです。

ブログはこちら。

 母が全巻読破したらまた記事書きます。

「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。