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プリゾニゼーション

刑務所ぼけというらしい。

刑務所ぼけになった囚人は、従順になり、単調なまいにちでも退屈じゃない。退屈を感じなくなるほど鈍感になるらしい。

もしかしたら自分は、ベップニゼーションかもしれないと思った。別府にきてから、暇とか退屈の感じ方が変わったからだ。物事に関心は一応あるけれど、耐えれないほどしんどかった暇を退屈だとは思わなくなった。

この刑務所ぼけは、無期囚におおいらしい。
彼らは、死刑にはならないが刑務所に監禁され続けるから、無限に薄められた時間をすごしているらしい。うすめられた時間のなかで、同じような単調な毎日をすごしていると。

無限にうすめられた時間。恐ろしい言葉。

一方で、死刑囚は「明日死ぬかもしれない」という切迫感から、毎日を有効に使おうとするらしい。濃密な時間を過ごしているのだと。

自分のいまは無期囚に近い。
ぼんやりと薄い時間。

死刑囚の人たちからは、どう見えているのだろうか。もしかして見えていないのかもしれない。

もっと、無期囚と死刑囚をいったりきたりできるといいのに。

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