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【BOX 2】

始めての場所に向かう時、私は何度も何度も場所を確認をしてしまう性格なのだけど、友人いわく「最寄り駅まで分かってて、あと確認することある?ストリートビューかなんかで見たら一発じゃん」と笑われてしまった。みんなそうなのかなぁと半ば信じられないのだけど実際はどうなのだろうか。
私は、地図があんまり得意ではないし、勘が悪く二択でも平気で外す。

右と左のどちらに行くか迷った時、
手のひらのどちらかにコインを隠された時、
二択クイズのAかBに迷った時、

賭けに勝った試しが全くない。

「まきはね、顔に出てるんだよ。
勝負に乗りたくないし正直どっちでもいいっていう気持ちが滲み出てる。当てようって言う気概が全然感じられないんだよ。」

主張が割と激しくてはきはきとした友人に言い切られてしまったけど、無意識の内に出てしまっていたのかなあと思い返している。

そんな訳で始めて降り立った麻布十番駅のホームで、また場所を確認しようとした。

これから会いに行く友人は、7番出口を出てすぐだから、迷わず来れるよとの事だったけどほんとにすぐなのか半信半疑だった。

7番出口を目指して地上に出ると、左側に本当にすぐ、真っ白いドアを発見した。
突然のドアの出現は中々の違和感があるけど、見ただけでここだと分かる。
木製のドアの中央には、気品溢れる手を象ったドアノッカーが配置され、重厚な装飾が施されたドアハンドルがついていた。
恐る恐るドアハンドルを押してみると、思ったより密閉率が高いのかかなり重みがあった。
やっとの事で中に入ってみるとすぐ正面にシャンデリアが飾られて居る。
天井はそこまで高くないのに上も両サイドも鏡張りになっている性で、かなり奥行きがあるように感じた。足元の赤い絨毯と仄暗い照明が鏡に映って連なっていた。


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