成長企業に降りかかる難題~『会社の文化』と肌が合わない社員(後編)
会社が成長すれば、必ず問題が発生します。
今回も前回に引き続き、
『会社の文化と肌があわない人材の入社により、会社の雰囲気がネガティブムードに流されてしまう』
という問題について取り上げてみたいと思います。
『成長企業に降りかかる難題~『会社の文化』と肌が合わない社員(前編)』では
『会社の文化にマッチするか否かは面接だけで見抜くのは難しい。入社後にそういった人材であるということが発覚したときの対応が大事である』
という主旨のお話をさせていただきました。
後編となる今回は
『どのように対応すべきなのか』
という部分をご紹介いたします。
ひとつ、私の失敗談についてお話しさせてください。
私が雇われ社長だったとき、
会社の文化と肌があわない従業員(Aさん)がいました。
Aさんは会社に対する批判を数多く口にするタイプで、会社全体にネガティブな雰囲気が蔓延してしまっている有様。
そんな状況ですから、他の従業員の表情も曇りがちになっていました。
『Aさんは根は良い奴だし、話せば分かってくれるだろう』
当時の私はそのように考え、Aさんの要望や不満を聞き続けました。
会社側が要望を叶えれば良い会社だと思ってくれるだろう。そしてきっと考え方も変わってくるはずだ。
そう考えていたのです。
しかし、現実はそんなに甘くはありませんでした。
ひとつ要望に答えたとしても、次から次に要望が出てきます。必然的に、Aさんに対応している時間も膨大となります。
他の従業員からは、『何であんな奴の言うことを聞くんだ!特別扱いしているのか!』といった声も出てきてしまい……
会社の雰囲気は、悪化の一途を辿っていったのでした。
最終的に、Aさんの考え方は変わることなく、しばらくした後に退職していきました。
『根本的な考え方』や『性格』といった類のものは、なかなか変わることはありません。人というのはそういうものです。
ですから、思想が異なる人を説得したり教え諭すたりすることができないことも大いにあるのです。
それでは、実際にどのような対応をすればよいのでしょうか?
最もやってはいけないのは、『現実から目を背けてしまう』こと。
『採用している責任もあるから』と目をつぶるのではなく、本人のその価値観や思考が、自社と会わないことを伝え改善を強く促すべきです。
もしも本人が『同意できない』というのであれば、退職勧奨するくらいの強い信念と覚悟で挑むことが必要です。
厳しい対応ではありますが『改善する気がないのなら、この会社ではあなたを評価できない。このまま居続けても成長や昇格は見込めないよ。』と率直に伝えるほうが、よほど誠実で本人のためになるのではないでしょうか。
人生というのは長いようで短いものです。
その有限で貴重な時間を無駄にしないためにも、『会社の文化と肌が合わないな』と感じ不満をため続けるのではなく、できるだけ早く自分の信念にマッチした会社に転職すべきです。
自社と合わないことを伝え改善を強く促す際に、注意すべきポイントが3つあります。
エージェントグローでは、このような原則のもと『トラブル対応準備ガイドライン』という指針を作成し、発生するさまざまなトラブルに対応しています。
社内文書として作成したものではありますが、皆さまに参考としていただけるものもあるかと思いますので、共有させていただこうと思います。