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上司に提案するときのコツ

『うちの会社、こうしたほうがもっといい会社になるのになぁ……』

企業に勤めていると、こういった『こうだったらいいのに』という感情が湧き出てくることもあるかと思います。

会社のことを考え、『これだ!』という“提案”をしたのにも関わらず、受け入れてもらえなかった……。

そんな経験はありませんか?

私自身、若かりしころに上司に“提案”をしていました。

会社のことを考えてのことでしたが……。正直、受け入れられないことのほうが多かったです。。。

提案を却下され続けてきたある日、とある『コツ』を掴みました。

その『コツ』を掴んでからは、不思議と“提案”が受け入れられるようになったのです。

そこで今回は、“提案”を受け入れて貰いやすくする『コツ』について書いてみようと思います。

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“提案”を受け入れて貰いやすくする『コツ』は、事前準備にあります。

この“問題”に対して、上司はどう考えているか?

これを実際に“提案”する『前』に考える。これこそが『コツ』なのです。

『上司はどう考えているか?』と唐突に言われても、その『“問題”に対する上司の思考』をトレースするのはなかなか困難ですよね。

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実体験上、その『“問題”に対する上司の思考』は下記の3つに分類できます。

・そもそも“問題”を認識していない
・“問題”は認識しているが、何らかの理由で“対策”を実施できていない
・“問題”は認識しているが、“対策”する必要はない/他に良い方法があると考えている

上記のいずれかであると仮説を立てたら、それぞれのタイプごとに準備を整えましょう。

以降は、下記のシチュエーションを例に話を進めます。

舞台は架空の『家庭用ゲームソフトメーカー』

『毎年10%ずつ売上が減少している』という“問題”があり、改善の見込みがない。

その“問題”の一番の原因は、『スマートフォンの普及により、ゲーム専用機が売れなくなった』ことである。

あなたはその“問題”の“対策”として『スマートフォン用ゲームへの参入』が効果的であると考えており、上司である部長に”提案”したいと考えている。

『スマートフォン用ゲーム』の売上は増加傾向にあり、新規参入の余地が多分にある。そもそも“問題”を認識していない
上司が深く考えていないので、“問題”自体に気付いていないケースです。

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この場合、そのまま自分の考えを“提案”しましょう。

“提案”を受けた上司は“問題”を認識し、あなたの“提案”を受け入れてくれることでしょう。

【このパターンにおける”提案”の例】
当社はスマートフォンの普及により売上が減少しており、改善の見込みがありません。

このままでは限界が来てしまいますので、当社もスマートフォン用ゲームの開発に参入してみてはいかがでしょうか?

ただし、これはレアケースであることに注意してください。

あなたが“提案”する相手は管理職たる上司です。

あなたからどう見えているかは別として、運や『まぐれ』だけで管理職になったというケースは少ないことでしょう。

おそらく、あなたが“提案”する相手は『仕事のできる人』です。

そんな人が深く考えることをせず、“問題”に気づいていないケースというのはどれくらいあるでしょうか?

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この場合、“提案”する前にその『何らかの理由』を取り除いてあげる必要があります。

『何らかの理由』さえなくなれば、あなたの“提案”は受け入れて貰えることでしょう。

【このパターンにおける”提案”の例】
当社はスマートフォンの普及により売上が減少しており、改善の見込みがありません。

このままでは限界が来てしまいますので、当社もスマートフォン用ゲームの開発に参入してみてはいかがでしょうか?

とはいえ、○○部長は新規タイトルの調整でお忙しいかと思います。

その調整作業については過去に経験していますので、私が引き継ぎます。

○○部長はその間に、この“提案”についてご判断いただけませんでしょうか

このケースの場合に大切なのは、『実施できていない原因を突き止める』こと。そして『それを取り除く手段を提供する』ことです。

あなたの“提案”を伝えるのは、それらをおこなった後にすべきでしょう。 

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私の経験上、上司が考えているのはだいたいこのパターンでした。

このケースの場合は準備がとても大変です。

『何らかの理由』と言ってもいろいろとありますし、ひとつだけとは限りません。

まずは論理的に現状を整理する必要があります。

例えば、下記のような視点で考えると良いでしょう。

・上司はなぜ必要ないと考えているのか
・自分の“提案”よりも良いアイディアはないか
・上司は現状どのようなタスクを持っているのか
・それらのタスクの中で、なぜ自分の“提案”は優先度が低いのか

それらをすべて洗い出し、優先度を数値化するなどして可視化します。

その上で、自分の“提案”がいかに重要なのかを論理的に説明しましょう。

【このパターンにおける”提案”の例】
当社では、毎年10%のペースで売上が減少しています。

複数の要因が考えられますが、その中でも『スマートフォンの普及』はもっとも大きな原因です。

□□社の統計データによると、普及率は年々増加傾向にあるため売上改善は困難であると考えます。

この“問題”に対して、当社が現状取れる“対策”は大きく分けてふたつです。

  ・『家庭用ゲームソフトの開発』という既存事業に専念する
  ・当社のノウハウを活用可能な新規事業をスタートさせる

しかしながら、“問題”の原因が『スマートフォンの普及』にあること、
またその普及率に減少傾向が見られないことから、既存事業に専念するだけでは限界が見えてくるのはあきらかです。

つまりは、新規事業をスタートさせることは必要不可欠なのです。

新規事業の候補として、当社の持つノウハウを活用可能な事業を100事業考えました。

この中でもスマートフォン用ゲームの開発は、市場規模やコスト面で最も適していると考えます。

繰り返しとなりますが、スマートフォンの普及率が増加傾向にあります。

平均して60%のユーザが何らかのゲームアプリをインストールしているとの調査データがあります。

開発環境も現在当社に存在する環境が流用でき、技術的ノウハウも多少のアレンジは必要ですが転用可能です。

当社のパートナーにはスマートフォンゲームの経験を持つ企業も複数存在しているようです。

以上の理由から、スマートフォン用ゲームへの参入は最低限の投資で最大のメリットを得られるプランであると考えます。

『自分の提案が一番効果的である』ということを、上司に受け入れてもらわなければなりません。

そのために必要な準備をおこなった上で、論理的に“提案”するのです。

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『あなたの“提案”が通らない』という現実の裏には、さまざまな理由が潜んでいます。

その『理由』を探るためには、『しっかり考える』ということが重要です。

一般に、“提案”するときは『気持ち』や『思い』が先行します。その結果、『考え』が不足します。

そのような場合、往々にして『そもそも“問題”を認識していない』ケースで紹介したような“提案”をしてしまうのです。

しかし、先にも述べたように上司の思考としては『“問題”は認識しているが、“対策”する必要はない/他に良い方法があると考えている』であることがほとんどです。

このミスマッチが、あなたの提案が通らない原因となっていることもよくあります。

あなたの“提案”を上司にしっかりと伝えるために、『よくよく考える』ということを大切にしてください。