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足るを知る者は他人を利用しない【きまぐれエッセイ】

カネも名誉も『命あっての物種』
そんな当たり前のことをなぜ人は忘れてしまうのだろう。カネは使ってこそ価値があるのに、貯め込むばかりで使うことを知らない人は不幸である。

腹は満月、ココロは三日月。
カネに執着し、カネに囚われている。こういう人は人を雇うときもケチる。足もとを見てケチる。カネは持っているから腹は膨れているだろうが、ココロは貧乏だ。口には出さないが、雇う方が偉いと勘違いしている。

人より偉くなりたいという思いが強いから、それに執着する。カネもモノも出し惜しみする。人に何かをあげるときは、いつも不要なモノや残りモノばかりで、お茶一杯、コーヒー一杯を出すときだってココロがこもっていない。ココロがこもっていないというより、もともと出せるココロがなくて空っぽなのだ。よんどころなし。

『足るを知る』『止まるを知る』人は、安らかな人生を送ることができる。足ることを知るというのは、シンプルだが深い真理だ。足りないものばかりを数えていれば、決して満たされることはない。けれど、今ここにあるものに感謝し、それを大切にすれば、心は豊かになる。

カネも名誉も、求めれば求めるほど、それに振り回される。そして、結局は何も得られないことに気づくだろう。命があってこその物種、だからこそ、今を生きることの大切さを忘れないでほしい。ココロが空っぽでは、どれだけのカネがあっても、どれだけの名誉があっても、決して満たされることはないのだから。


名と身と孰れか親しき、身と貨と孰れか多れる、得と亡と孰れか病いある。
是の故に甚だ愛すれば必ず大いに費え、多く蔵すれば必ず厚く亡う。
足るを知れば辱しめられず、止まるを知れば殆うからず。
以て長久成るべし。
[老子:第四十四章立戒]


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