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しみじみ食べるチヂミばかりの飯である【きまぐれエッセイ】

2011年11月16日(水) 17時23分25秒 kawagoetubasaの投稿

『かねますのチヂミ』の巻

『和食』というのは、たとえば懐石料理のように、
琴の調べがチントンツトトンなどどお上品に流れる、静かな場所で、ゆっくりとくつろぎながら、優雅に味わうというのが私のイメージ。

『韓国料理』っていうのは、喧騒の繁華街の中にある、油煙にけぶったお店の額に汗をかくくらいの室温の中で、マシイッソヨ~!マシイッソヨ~!
と歓喜の声をあげながら、ふぅふう、ヒィ~ハ~ヒィ~ハ~、シーハー言って、口の周りをギトギトにさせ、舌つづみをたんたん打ちながら、食いやがれ飲みやがれ!食べたるで~!とケンカ腰で、エネルギッシュに食べる、いや喰う!ってのが私のイメージなんです。

なぜだか『韓国料理』はつつましやかに食べてはならんという固定観念が出来上がっているのよね。
韓国旅行に行ったときのソウルの食堂での印象が強烈に刷り込まれているのかも知れないけど。

じゃあ、あ、『韓国料理』をおちょぼぐちお上品に優雅につつましやかに、食べているの図を想像あそばせ。
『懐石料理』をテンション上げて、うめえうめえと喰うの図を想像あそばせ。

違うでしょ、って。

『韓国料理』ってなぜこんなにも人々のテンションを高めるのだろっ、て。

『韓国料理』は、本場でも食べたし、日本に住む韓国の人が作る家庭料理を何度もごちそうになりましたから、ホンモノと日本人の作る韓国料理の違いはよくわかってるつもり。

この、かねますのチヂミ。

そこそこおいしいんだけど、本場韓国の味を想起させるものがなかったのよね。
もっちりした食感とかねます的お味をお好みだという人もおるかもしれないけど、私が知っている本場のチヂミとはちょっと違うのよね。

いえ、かねますさんが悪いのではないんです。
『かねますのチヂミ』に本場韓国の味を求めたのがいけないのですけど。

しみじみとチヂミを味わいわいましたけど、チヂミのようでチヂミのようでないなにか、違うものを食べてるような気がしました。

で、ナニゲに袋を見てみたら、チヂミあがりました。

韓国風』って書いてあるじゃありませんか。

ああ、なるほど、なるほどですね。と知り合いの口調を真似してみたくなるほど、合点がいったのですガッテン。

かねますのチヂミは本場の味を召し上がれ~、じゃなくって日本的チヂミを作っているわけで、だからチヂミのよ~うでチヂミじゃない、テテン、と。
かねますのチヂミに韓国を求めることは野暮だと。

では、本場のチヂミとは別物である『かねます的チヂミ』のお味の評価はというと……

じゃじゃん。

残念ながら私の口には合いませんでした。
このもちもち感はお団子に近い食感ですね。
たから、タレが韓国風なのもミスマッチなのよね。

このお団子的食感のかねます的チヂミには、無理くり韓国風タレをつけて食べたらますます、いくない。

それこそお団子のあんことか、ずんだとかを塗たくって食べるほうがよいと思う。

添付のタレはピリっと辛いけど甘ったるさの方が勝っている。私には合わないので、醤油を足してなんとかその場をしのぎました。


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