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ゲーム業界40年の変遷

この業界に入った1980年代中ごろ。アーケード、PC、ゲーム機といったゲームビジネスそれぞれに業界があった。
 
アーケードゲーム業界が最も古いが、アーケードゲームビジネスはゲビデオームだけを扱っていただけではなく、ピンボールゲーム機、輸入したスロットマシンやジュークボックス等も取り扱っていた。
一方PCゲーム業界は、PCの普及とともに参入してきた比較的若い人たちの業界だった。自社でカセットやフロッピーディスクにゲームを収録し、ソフトバンクやソフトウィングといった流通会社に販売を委託していたので、それほど多くの資本が必要なかったと思う。
 
ゲーム機(家庭用ゲーム機)ゲームの業界には多くの異業種の会社が参入したが、アーケードゲーム業界やPCゲーム業界の会社も多く、業界の規模は拡大した。
ゲームを販売するためにゲーム機メーカーにゲーム製造委託費の前受金のようなものを納めなければならなかった。東京近郊のマンションの価格ぐらいの金額だった。当時ゲームメーカーの人にそう聞いたことがある。PCゲーム参入よりは敷居が高かったので、ゲーム機のゲームビジネスに参入したのは、ある程度の規模の会社が多かった。
 
1990年代になり、セガやソニーの次世代機が発売される。こうした新しいゲーム機が発売される前、ソニーや音楽業界等様々な業界から会社、人材が参入してきた。大手のゲーム会社は大方上場していたので、多くの新卒者も業界に参入してきた。それまでは、ムラ社会的なゲーム業界だったが、新たな顔ぶれの参入でゲーム業界は洗練され、業界の規模はさらに拡大した。
 
2000年代になるとPCオンラインゲーム業界ができた。多くの会社がIT業界の会社やその子会社、韓国のゲーム会社だった。後半にはガラケーのソーシャルゲームブームが起こる。ソーシャルゲームの会社は、モバイル系のIT企業や新たにゲームビジネスに参入したベンチャーの会社が多かった。こうした多くの会社の参入で、ゲーム業界の規模は一段と拡大した。
 
2012年ごろにスマートフォンゲームの市場が成立する、この市場には、上記の会社の大半が参入したが、加えて新たなベンチャーの会社も参入し、かつてない規模のスマートフォンゲーム業界が誕生した。この新しいゲーム業界の規模は1兆円を超え、現在に至っている。
 
約40年のゲーム業界の推移を見てきたわけだが、その間ゲーム会社の合併や倒産、事業撤退、新規参入が繰り返されてきた。ずっと存続している会社もあるが、経営者の世代交代もあり顔ぶれは変わっている。
 
しかし、1980年代からの存続している大手ゲーム会社で、創業者がまだ経営に関わっている会社もある。光栄(現コーエーテクモゲームス)と日本ファルコムだ。ゲーム業界の中で経営にオーナーシップが生きている稀有な存在である。

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