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【初出版『最強の法則』100】 vol.56:カバーの「第一印象」で売れ行きが決まる⁉


タイトルとともに重要なのが、カバー(表紙)です。
リアル書店さんでもネット書店でも、最初に目につくのが
カバーの表側(専門用語で表1と言います)です。
カバーから受ける第一印象で買うか、買わないかが決まります。
読者の方がカバーを見るのはほんの一瞬。
一説には、書店店頭で1冊当たり0.1秒と言われています。

それだけに、編集者も渾身の力を込めてカバーを作ります。
前回お話したように、本文修正作業と並行しつつ、
タイトルを決めてカバーデザインを作成するという工程をとることが多いです。

カバーの構成要素は以下の通りです(本を見ながら確認してください)。
※出版社ぞれぞれの規定がありますので、全てが入っているとは限りません。
あくまで一例です。

<表側(表1)>
・メインタイトル
・サブタイトル
・著者名(肩書と名前)
・キャッチコピー(帯)

・有名人やその分野の第一人者などの推薦文
・出版社名(ロゴ)

<表側のそで>
補足的なキャッチコピーや読者へのメッセージ、本文の一部抜粋(まえがきなど)
・カバーデザインを担当したデザイナーの会社名・氏名
・書名
・出版社からのお知らせ(読者対象のキャンペーンや同じ著者の既刊のご案内など)
など
<背>
・書名(メインタイトル、サブタイトル)
・著者名
・出版社名とロゴ

<裏側(表4)>
補足的なキャッチコピーや章立て、項目の一部(帯)
・価格(本体価格+税)
・バーコード
・ISBN(国際標準図書番号=本の識別番号)
・Cコード(本の分類番号)
・出版社名とロゴ

<裏側のそで>
著者写真、プロフィール
・出版社からのお知らせ
・著者関連のQRコード(セミナーやコミュニティ、読者特典のご案内など)
・書名
など

かなり構成要素が多いと思いませんか?
カバーには、書籍のあらゆる情報が詰まっているのです。
これらが凝縮されて、プロのデザイナーによってデザインされます。

同じ文言でも、文字の大きさや配置、色、デザインなどで見え方が違います。
私の経験でも、本文はもちろんですが、
編集者はタイトルとカバーに命を懸けると言っても過言ではありません。

編集者がもっとも神経を使うのは、カバーの表側です。
特に、タイトルなど構成要素のデザイン、キャッチコピーの文言には考えに考えます。

自分でラフを引いてデザイナーさんに依頼する編集者もいれば、文言だけ考えてデザイナーにお任せの方もいます。
デザイナーは編集者の意図を理解しつつ、表紙パターンを絞り出します。

1種類だけ提出してもらって決まることは、ほとんどありません(なかには1種類だけしか出さないと決めているデザイナーの方もいますが)。
通常3種類ほど、多いときは5種類以上の案を出してもらいます。

その中から、社内や上司の意見を聞いたり、
出版社や著者の方がSNSなどで「ABテスト」のアンケートを取るケースもあります。
著者のあなたには、5種類の案が出ているとしたら、3種類くらいに絞られた案が出てくる可能性が高いです。

この場合も編集者の制作意図を理解しつつ、自分の意見ははっきり言いましょう。
もちろん、あなたの意見が通るとは限りません
編集者と出版社が「もっとも売れる可能性が高い」と判断したカバー案が採用されます。
最後に決めるのは、「売れるかどうか」の判断です。

カバーはかなり重要なので、次回はキャッチコピーの作られ方をお話します。
ではでは!

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