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空間と作品

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

月に1度は美術館や博物館を訪れよう企画。いつも通り特に下調べをすることなく、直感的に面白そうと思ったところへ向かう。

東京都 京橋はアーティゾン美術館は「空間と作品」展を訪れた。

美術品が生まれた時のことを振り返ると、それは邸宅の建具として作られたり、プライベートな部屋を飾るためにえがかれたりと、それを所有する人との関係によって生み出されたものであることが分かります。

公式ホームページより抜粋

美術品というものが「祈りの対象」「建物の一部」、「持ち主の存在」といった6つのテーマを元に、展示空間が演出されている。

「My favorite place」では、かつて絵画を所有していた人が部屋に飾っていたように、インテリアとして生活空間に取り入れた”夢想空間”を見れる。

この展示会でフォーカスしているのは、絵画や彫刻そのものの素晴らしさというよりも、その美術品を観る空間そのものと思われる。

かつてこの絵画を所有してた人は、どんな気持ちでこの絵を眺めていたのだろうか。どういった意図でこの作品を依頼したのだろうか。

さらに空間を広く捉えると、絵画の周囲を飾る額縁にも意味を与えることができる。

額縁一つで、より絵画の荘厳さを引き立たせることもできれば、まるで作品の一部かのような演出を施すこともできる。

美術館で絵画や彫刻を鑑賞していると、大抵はその芸術品の成り立ち、歴史的背景、誰の作品であるかがフォーカスしがちかと思われる。

実際に芸術に関する書籍には、絵画を見る技術やその歴史的背景などの、その絵自体の講釈が多いものである。

もちろん、そのような絵を見るためのスキルや歴史を把握することで、より美術品の素晴らしさ、なぜ美しいのかを実感するための手助けになる。

とは言え、これまで長い年月を経て、今こうして美術館で鑑賞できる作品が、いかに空間的な役割を果たしていたのかと思い馳せることも、また一興と思われる。

話が若干逸れるけれども、先日漫画好きの友人が「漫画家が執筆中に聞いている音楽のプレイリストを聴きながら作品を読むと、その漫画家さんの気持ちに近づけるねん」と語っていた

その時は「俺だったら作品の雰囲気に合った音楽を流すけれども」と返答したけれども、なるほど、著者がどういった空間で執筆していたのか、音楽という形で空間を共有するってのも悪くないのかもしれない。

その作品が生まれた空間。作品が飾られていた空間。その作品を眺めている人の空間など、一つの芸術品にも様々な空間があるのだと。

私自身、そんなに(それこそ月に1度程度しか)美術館に訪れていないけれども、また新しい視点が得られて大変面白かったです。

そして毎回、携帯をロッカーに入れて鑑賞するため、サムネ用の写真を撮れずに退館してしまうのよね。それではまた次回!

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