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読書記録「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、江國香織さんの「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」集英社 (2005)です!

江國香織「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」集英社

・あらすじ
愛にだけは躊躇うことなく生きた女性を描く短編小説集。家族や友達からはどうこう言われようとも、例え男が妻子持ちであったり、甲斐性なしや愛が失われつつあったとしても、時に食事や映画に行き、時に体を重ね、一緒に過ごすことで愛を確認し会う。短編の中にも濃縮された人生が垣間見られる作品。

最近どうも文字情報から言葉を汲み取ろうと考えてしまう次第、この物語から著書は何を伝えたいのか、この言葉の意味とは一体何なのかを深く考えようとしてしまう。

久方ぶりに感性で物語を楽しもうと、巻末に山田詠美さんが述べていたように、"無機質な活字から五感のすべてを刺激して、くっきりとひとつの情景が浮かび上がる"ことを味わえた作品でした。

タイトルにもなっている「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」と言う言葉は、著者がアメリカを旅行していた頃に見た立て看板の言葉だそうで、"It's not safe or suitable to swim." から来るそうです。

経験皆無の私が言うのも烏滸がましいですが、社会と言うものはかくも生きづらい側面もあり、それこそ社会という広い海を渡るということは、「泳ぐのに、安全でも適切でも」ないかもしれません。ましてや、恋愛になると、特に色濃く出るのかもしれません。

何かメリットを、教訓を得ようと本を読むのも大事ですが、時に感性を磨く作品に触れるのも一興です。それではまた次回!

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