見出し画像

仕事のかけあわせ(お菓子作家/金工作家)

私は金工作家 兼 菓子作家という仕事をしています。

確かに山形に来たばかりのころ(2012年)は、東京時代は自分の作った調理器具でお菓子制作をしたり色々とやっていたけれど、もう職人として、何かひとすじにしなければ、と思っていました。そう迷いながら悶々としている時期はしばらく続いたと思います。費用の面でも、作業場代や道具代にかかるものもそれぞれ別だし、決して効率は良くない。でも結局続けてきてしまったら、金工お菓子作家としての仕事に落ち着いてきたように思います。フラリフラリとした気質のため、合っているのかもしれません。生活と仕事を分けられないという所があるし、分けなくていいと思っている。

初めましての方にはもちろん、金工作品と?お菓子?ということになって当然なのですが、やはり今の状態が自然だなあと思っていて、それは季節が激しい山形に住んでいるからというのが、大きいかなと思っています。季節によって、過ごし方が違いすぎるからです。

夏は半分外で金工作業をし、冬は雪がありすぎて外に出るのも大変なので、暖かい室内でお菓子を作っていたい。二期作です。もちろん完全に分けるわけではないのですが、比率の多さとして。心の中でどちらを頼るかを、季節によって変えられます。

農家さんもそうですが、山形には季節によって全く違うことをしている方も多い気がします。夏、東北なのにすごーく、暑いのです。日本で一番四季の激しい県だとよく言われています。だから食べ物が美味しく育つんだず、と。

私は一日同じことをしていることも難しいのですが、四季で同じことしてることも、難しいと思うのでした。
夏は焼き菓子の管理も大変ですし、冬は金属が冷たくて手が悴む。仕事をすることで体を追い込むのでなく、むしろ仕事をすることで健康になりたいというわがままを押し通したいのかもしれません。それには季節に沿うことが一番だと思っています。

食べる道具も、好きな味のお菓子を研究することもそう、自分の生活に必要なツールで。たまたまその中のお菓子作りと金工作品が仕事になっているという感じでありがたいことです。仕事の種類は足し算でなく掛け算と思っています。生きるための手段はたくさんあった方がいい。

そう書いているうちに、ひとすじの職人になり切れない自分のことを、そろそろ認められそうでいます。

自己紹介は上手につたわるようにときどき点検して自分を堀り、アップデートするのがいいなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?