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家が火事になりました。

人生には時に思いがけないことがおきます。

その朝、僕は仕事仲間とともに、首都高で移動していました。そこに突然、出勤途中の妻から電話がありました。

「我が家が燃えてるらしいの」

「えっ、なに燃えてるって」

「とにかく家が燃えてるの」

最初はなにをいっているのか全くわかりませんでした。でも胸騒ぎを押さえながら自宅に戻ることにしました。すぐに高校3年生の長男と連絡をとりました。家族全員が避難できていることがわかり、一旦はほっとしました。でも息子は興奮した声で最後にこういいました。

「バリバリすごい音をたてて家が燃えてるんだ。窓ガラスもボンボン割れてる」

 高速を降り、自宅に向かいました。最悪の状況でも、人は自分の都合のよい方向に考えようとします。その時は、「そうはいってもボヤだろう、少し焼けたぐらいだろう」と思ってました。でも自宅近くの大通りで、消防車が僕らを追い越し、サイレンを鳴らながら赤信号を無視して猛スピードで走り去ったとき、心臓がドクンとなりました。だんだんとこれは...と思い始めました。家に着くと一角は、SF映画でみるような黄色いテープで「立ち入り禁止」になっていました。ざっと20人ぐらいの消防隊員の人が、大きな声で指示をしながら消化活動にあたっており、これも「あーこういう映画みたことあるなぁ」と妙なデジャブ感に駆られました。

 消火活動が終わったのは、午後3時すぎ。家にはいるとみごとに全てが焼失していました。土地を探して、設計を友人の建築家に頼み、14年間前にたてた家。当時、思い切ってかったダイニングテーブルも、3人の子どもたちが練習したピアノも、妻の誕生日に買ったクロスバイクも、ぜんぶぜんぶ燃えました。

 原因はよくわかっていません。電源コードがショートしたのか、電気機器が不具合で発火したのか、消防署の結論は出荷原因は「不明」。それでも家は燃えてしまいました。

 寝る場所を失った僕ら家族は、Airbnbで近所に宿を確保し、まるでドラマのような日常のなかで、仮住まいを探し始めるのです。。。。

 火災にあって思ったことは、あまりに情報が少ないことです。なにがおきるのか?まず何をすべきなのか?人が火災にあう確立は、さまざま言われていますが、ある人の試算では0.024%。それでも火災は確実におきています。だから今回の経験を書くことで、ひょっとすると誰かが救われるかもしれない。そう思ったので、なるべく多くの出来事を包み隠さず、noteに書いていこうと思っています。

 

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