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【東京道路奇景ガイド#04】 六本木交差点と街のシンボル

こんにちは。交通技術ライターの川辺謙一です。

今回は、「東京道路奇景」の実例として、六本木交差点をご紹介します。東京の代表的な繁華街として知られる六本木の中心にあり、その風景そのものが街のシンボルにもなっているというめずらしい「奇景」です。

■六本木交差点の概要

六本木交差点は、外苑東通りと六本木通りが交差する場所です。六本木の中心に位置しており、地下鉄六本木駅のすぐ上にあるため、待ち合わせ場所としてもよく知られています。

この交差点の大きな特徴は、真上に首都高3号渋谷線の高架橋があることです。この高架橋は装飾が凝っており、橋桁の側面に「ROPPONGI」のロゴ、下面にLED照明があります。

東京では、上野駅前や渋谷駅前のように、人通りの多い交差点の真上に首都高の高架橋が架かっている例が存在します。ただ、これほど高架橋の装飾に力を入れた例は、おそらく六本木交差点だけでしょう。

このため、六本木交差点の高架橋は、六本木のシンボルとなっています。

都市景観を重視するヨーロッパなどの主要都市では、中心地にこのような高架橋はほとんどありません。ところが東京の六本木では、無機質になりがちな高架橋が繁華街のシンボルになっており、多くの人が高架橋のある「奇景」を「当たり前のもの」として受け入れています。

これって、よく考えると不思議なことだと思いませんか?

告知8六本木明るく

■地下鉄と首都高をセットで整備した場所

六本木交差点を通る六本木通りは、一部区間で以下のような3層構造になっています。

中空:首都高3号線
地平:六本木通り
地下:東京メトロ日比谷線

この3層構造は、1964年の東京五輪を機に生まれました。まず地平の六本木通りを拡幅し(幅員20m→40m)、上に首都高の高架橋、下に日比谷線のトンネルを建設した結果、この多層構造が生まれました。既存の道路を生かしながら、交通処理能力を短期間で増やした結果とも言えます。

こうした歴史を知っていると、六本木交差点の見方が変わって面白いですよ。

■おすすめの鑑賞場所

六本木交差点の渋谷寄り横断歩道の中央(中央分離帯付近)。

■アクセス(鑑賞場所まで)

地下鉄(日比谷線・都営大江戸線)六本木駅3番出入口から徒歩0分
都営バス六本木駅前停留所から徒歩1分



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