同僚の余白と私の告白 2022/11/24
授業の後、職員室の水場で手を洗っていたら、先に洗い終わった同僚さんに「ご自分のハンカチで手を拭いてるんですね。ハンカチだと、菌がついたままになりますよ」と言われた。
(※「同僚さん」という言い方は、授業で「代々、学習院大学に通われてたお家の人たちは?」っていうクイズを出したら、生徒から「天皇さん」って返ってきて、いいねそれ!ってなったののマネ。)
見ると、同僚さんはペーパーで手を拭いている。
ペーパーは、感染症の流れで職場のありとあらゆるところに無造作に置いてある。
私は一瞬でげっと思ったが一応話を合わせて、そうなんですかあ~、ハンカチで拭くと一回でベッチョベチョになるんですよね~、菌…菌…そうなんですかあ~と言った。
同僚さんは、私のハンカチを指差しながら、菌がそこについて一日中そのままになることや、菌が付いたハンカチを使うたび、手の方に菌が付いて他のものにも付着するんですよ菌が、と言う。最終的には、「『菌が菌が』って言ってすみません」と自分で気付いたのはまだいいほうだったのかもしれない。
それからひととき、私はハンカチに菌が付いている様子を想像するのをやめられなかった。
私が洗った手を拭くためにハンカチを使うのは、誰でも使っていいですよ的に置いてあるペーパーがガッサガサで好きじゃないのと(仲の良い同僚は「『ジャンプ』みたいな紙」と言った)、それでも時々借りようと、手洗い場に置いてあるペーパーを取り出す際、必ずそれが入っているビニール部分に手が触れてしまい、100%の確率でそれが濡れているのだ。とても気持ち悪い。ペーパーを使う時、私はあらかじめ使う分を取り出してから手を洗うけど、大半の人が手を洗ってからペーパーを取り出すのだと思う!だからビニール部分が濡れる! そしてもちろんその部分に菌は……? いるよね!👿
同僚さんは、トイレに行く時もペーパーを数枚取って持って行くらしい。トイレに手拭き用のペーパーは置いてないから。
本題はここから。
この時代、手洗い後のハンカチ等に多少なりとも「菌」が付着するであろうことは誰でも知っている。たとえ知りたくなくても、この類いのことを無理矢理知らされた期間だった。無理矢理、そして過剰に。
そして、私がそうであるにもかかわらずハンカチを使っている理由は、別にないけど(そんなもんないんだよ!!!)、そういうあれこれがうっせえ! と思うからだ。ただでさえ気にしたり緊張感を持って生きているなか、ハンカチ使う時までうっせえ!! って思うからだよ!
手の皮膚が弱いので、ある時から手を洗うたびにハンドソープを使うのはやめた。ソープを使うのは食事前ぐらいで、後は手を顔に持っていかない。手を使って何かを食べることも絶対しない。それでなんとか皮膚と自分を守っており、それでも常に何本かの指は荒れてただれている。ソープを使っていない時点で「菌が!」なのであろうし、自分のハンカチがもはやきれいでもないことは何周か前に既に想像&把握済みだ。それでもハンカチを使うのは、かわいい方がいいからだよ! ふわふわな方が辛い仕事時間も少しだけ慰められるからだよ! つまり、こっちには事情があんだよーーーーっ!
同僚さんは悪気などひとつもなく、意識もしていないのだろう、むしろ親切心も感じた。
でも、個人の主義主張は個人の中でとどめておくのが社会のマナーってもんじゃないかなあああー!
ってことまで言えなくても、せめて、親切ごかしの失礼や行き過ぎたお節介や知ったかぶりに対して、ニコニコして受け止めるなんてしないでくれよよよ……って自分には思う。
そうじゃないと、あの同僚さんがハラスメントとかマウントとか、とにかく受け止めの良い私をいじめてるってことになっちゃうじゃん。
ハラスメントってこういうふうにも生まれるものもあるのかも。
あ、受けた方の返しが悪いって意味じゃなく!
いや、そういう意味になってしまってるか、だめか。
ともかくこのケースの場合、相手はハラスメントのつもりはなかったのだから、私ははっきりと自分の主義主張を言ってみてもよかった。告白してもよかった。
(同僚さんにはまだ、「あ、そうだったんですか!」って納得しそうな単純な余白もありそうかもしれなかった。)
これは反省じゃないけどな。
2022/11/24めぐみ
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