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働きがいレポート(2021/12/18)

はじめに

「働く幸せ」のネックは何かを、実際の身のまわりの人間から聞いた生の声から考えようと思った。

当初の予想

「モチベーション3.0」によると、人間がモチベーションを感じる3つの要素は「目的」「熟達」「自律性」。

①目的=何かを目指すこと

②熟達=成長し、実感を得ること

③自律性=自分の意思で動けていること

これら3つがある場合にモチベーションが満たされ、活き活きと働く事ができ、働きながら幸せを感じられるのだと予想していた。(僕はそう。)

働きがいのネック「できること」

様々な意見を聞くことができた。深めていくうちにネックになりそうだと感じたのは「できること」。言い換えれば役に立っているか。もっと言い換えると存在価値

○仕事ができる場合:自分の存在価値を自分で肯定できる。

●周りの仲間に貢献できている。

●お客さんに喜んでもらっている。

○仕事ができない場合:自分の存在価値を自分で否定してしまう。

●仲間の足を引っ張っている。

●対価に見合った貢献ができていない。

ここで、自分で肯定できると言ったのは、他人が怒っているか褒めてくれているかは関係ないからである。他人が褒めてくれていても自分ができていないと感じたら幸せではないし、他人がとがめてこようと自分はできていると思えればこの類いの不安を抱くことはない(適切な評価がされない、について。後述)。

他の意見について

抜け漏れダブりがあるが、もらった他の意見について。それぞれレイヤーがかなり違うので、留意いただきたい。

○目的:やっている意味が分からない、など。

○自律性:やらされている、など。

○存在価値に影響しない人間関係:意地悪をしてくる、など。

○適切な評価がされない:収入が低い、など。(自分では存在価値を認めているのに他人に認められていないパターン)

○キャパオーバー:忙しい、考えることが多い、責任が重い(対価に見合った貢献をできない、に近い)、など。

○時間:残業が多い、プライベートの時間がほしい、など。

働きがいの要素か否か

ざっくり上がった要素をあげると「できること(貢献実感)」「目的」「自律性」「人間関係」「収入」「仕事量」「時間」。

このうち幸せをもたらしてくれるものは「できること」「目的」「自律性」「収入」「人間関係」。仕事量はキャパシティ内に収まっていないのであれば不幸だが、収まっていれば幸せになるわけではない。時間も、残業は不幸だが残業がないからと言って幸せになるわけではない。

となると、働きがいはやはり「できること」「目的」「自律性」。直感的に「収入」「人間関係」が働きがいとは無関係であることは分かる。

収入がもたらしてくれる幸せは基本的には労働時間外の幸せである。労働時間に限っては、収入が少ない場合は労働中に不幸を感じるかも知れないが、収入が高いからと言って労働中に幸せを享受することはない。(今お金もらえてる~!って働ける人がいればごめんなさい)。

また人間関係が働きがいとなるならば、個人事業主は働きがいが無いと言うことになるので本質ではない。

ちなみに「できること」「目的」「自律性」がある際のやりがいはこんな感じ。

○できること:役に立てている!

○目的:すげえいいことしている!

○自律性:頭使って考えるの楽しい!

働きがいの要素と、働きがいを阻害する霧

上の要素「できること(貢献実感)」「目的」「自律性」「人間関係」「収入」「仕事量」「時間」はどれも、保証されていない場合不幸をもたらす。

多くの人の意見を聞いて感じたのは、その不幸を取り払わなければ、幸せを拝むことすら難しい場合が多く存在すること。人間は幸せがあろうと、不幸があればそちらに引っ張られる。

例を見てみよう

・ビジョン(目的)に惹かれたが、仕事量が多く時間もかかるため、不幸。

・収入は良いが、人間関係が悪すぎて仕事に行きたくもない。

など。つまり働きがいを感じるには、単に働きがいの要素を増やせば良いと言う問題ではない。働きがいを感じる準備として、不幸のもとを取り除く必要があるのである。

「できること=熟達」が「目的」「自律性」と一線を画するわけ

「できること」がネックだといった意味は、「目的」「自律性」と比べてコントロールしにくいためである。

「事実」と「解釈」という区分があるが、目的・自律性は解釈でなんとかなりやすいのに対して、できる/できないは解釈を変えにくく事実に近いのである。

実際の例を元に考えてみよう。

・目的があっても、できていない(役に立っていない)と辛い。

・いくら自由にやって良くても、役に立っていないと辛い。

だからこそ「できること」はネックなのである。ここの事実さえ外部から変えてしまえば、なんとかなるのである。

できるようにさえなっちゃえば、目的だって新しく生まれるかも知れないし、やらされ仕事であっても自分なりに意味を見つけ自分の頭で考えられるようになるかも知れない。

「できる」ようになるために必要なこと

○研修制度。

○心理的安全性。分からないことは分からないといえる関係を。例えば、承認もここに入ってくるかも知れない。自主性の尊重も。

あとはなんかあるでしょうか。分かりません。会社によってもできない理由は色々違うと思います。

まとめ

○働きがいは「できること」がネック

○「できること」「目的」「自律性」が働きがいの要素になる

○働きがいは、不幸をある程度取り除かないと感じることができない

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