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【ネタバレあり】これぞ最終章!映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」感想

 9月30日土曜日に、Tジョイ東広島で「ジョン・ウィック:コンセクエンス」を見ました。
 良かったですねえ。
 アクションも俯瞰撮影や自動車が行き交う中でしたり、階段でやったり斬新さもありました。何より、ジョン・ウィックの戦いが行き着く先を描き切った点が良かったですね。
 今回はそんな「ジョン・ウィック:コンセクエンス」をネタバレありで感想を書きます。

ケインがカッコイイ

 今作で登場するドニー・イェンが演じるケインが凄くイイ!
 盲目の元殺し屋でジョン・ウィックの友人であるケイン
 娘の安全の為にやむなく友人ジョンを殺す侯爵からの依頼を引き受けてしまう。
 そんなケインが初めてバトルを見せる大阪の場面
 周囲が戦う中で丼を持ちうどんか何か麺類の何かを食べている様子
 このミスマッチな落ち着いた様子が貫禄を感じさせる。
 そこからの盲目と言うハンデを感じさせない圧倒的な強さ
 音の出るセンサーを使って敵の位置を特定して戦い、杖を使っての立ち回りはまさに座頭市だ。
 ジョン・ウィックで座頭市の後継者が見られるとは。
 このケイン、敵役ではあるものの、やはりジョンの友人だ。
 決闘に向かう途上、階段の戦いで打ちのめされたジョンの前に現れ、共に戦い決闘の場となっている寺院へ向かう場面は感動的だ。
 侯爵の代理にされてジョンと決闘をしなければならないケイン、しかも娘の身の安全がかかっている。ジョンの到着が遅れたり来なければ決闘はジョンの負けとなる。
 それでもジョンを助けて決闘をする。
 これが侯爵を倒すための作戦だったとしても、階段での共闘から決闘をするケインとジョンは泣けるものがある。
 今作はケインを中心に見るだけでも凄く楽しめた。

様式美に包まれた作品


 映画「ジョン・ウィック」の世界観は独特の美しさがある。
 現代が舞台でありながら、殺し屋の世界組織コンチネンタルはタイプライターで文章を作ったり、ダイヤルを回すタイプの電話を使い、その電話回線も交換手によって配線を手で繋ぎ、決定事項を黒板に書き換えたり。
 コンチネンタルは古いやり方で運営されている。
 侯爵が居る場所も古式ゆかりな整った光景に作られている。
 侯爵がケインにジョンの殺害を依頼する場面、その場所は何処かの屋敷か宮殿の一室であり、使用人達が居並ぶ。その中には犬と並んで立つ使用人が居たり凝った演出がされている。
 場面としての絵作りも美しい。
 パリで決闘内容をジョンと侯爵が話し合う場面とサクレ・クルー寺院の決闘場面は高貴さが醸し出されている。
 配置された机や椅子の調度品に告知人が侯爵とコンチネンタルの品位を映し出している。
 暗さによる場面の重さと言う作り方に秀でるジョン・ウィックシリーズの美術の良さが際立っている。
 今作の美しさは品の良さ格調の良さだけではない。
 ベルリンにあるルスカ・ロマの拠点である寺院の暗さが裏組織の雰囲気を作り、ナイトクラブ「天国と地獄」の水を多用した演出はバトルシーンの盛り上げる要素になっている。
 大阪の場面はコテコテな日本演出ではあるものの、大阪コンチネンタルホテルの人が多くて何やら常に音声ガイドが流れている様子は「日本の施設らしいな」と思えるところ
 梅田駅の場面は電車は明らかにアメリカの物だけど、表示や広告が広がるホームに電車内も窓に何かの広告シールが貼ってあるなど実際の日本らしさが作り出されている。
 大阪コンチネンタルホテルのネオンや桜の木、鎧や刀を飾っている部屋と言うハリウッド的日本演出がされている一方で、こうした本当の日本らしさが混ざるのは面白いと思えましたね。
 

 今回の「ジョン・ウィック:コンセクエンス」はアクション・キャラクター・美術の完成度が高い傑作でした。
なによりきっちりとストーリーが終わった点でより傑作になりました。
そのきっちりさは、最後のケインの顛末までしっかりと描かれた点には脱帽した。

今作でジョン・ウィックは死んだとされる終わりを迎えました。
とはいえ「アウトレイジ」でビート武演じる大友がラストで中野英雄演じる木村に殺されたと言う終わり方をしましたが、続編の「アウトレイジビヨンド」ではあえて死を隠されて木村は生きていた。
作中でジョンの墓が登場したものの、続編で実は死んでいないとして再登場するのではないかと思っていたりする。
それでも、この綺麗な終わり方をひっくり返すのは無いよなとも思っている。

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