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空の大怪獣ラドン感想

 1月1日元旦に、福山駅前シネマモードで午前10時の映画祭の枠で上映されていた「空の大怪獣ラドン」4Kデシタルリマスター版を見てきました。
 昨年は「モスラ」で最初の映画鑑賞となりました。今年も飛ぶ怪獣で映画鑑賞のスタートとなりました。
 ラドンはプテラノドンが巨大化した怪獣で、ゴジラシリーズでは以降も「三大怪獣地球最大の決戦」や「怪獣大戦争」・「怪獣総進撃」にハリウッド版ゴジラでも「ゴジラ~キング・オブ・モンスターズ」で登場します。

ストーリー

(主役である佐原健二演じる河村茂とヒロインのキヨを演じる白川由美演じるキヨ)


 舞台は九州の阿蘇山近くにある炭鉱の町
 ある日、炭坑で浸水が発生する。これを調べるために炭鉱技師である河村繁が現場へ行きます。
 そこで炭鉱夫の死体を発見して病院へ運びます。
 医者は死体を見て事故が死因ではなく、誰かにより斬り殺されたと断定します。
 炭坑の事故現場で殺人事件が起きたとなり、犯人は普段から他の炭鉱夫と喧嘩をする五郎ではないかと疑われます。その五郎は炭坑から戻って来ない事からより疑われます。
 炭坑へ探索に出た炭鉱夫と警官が殺害され、五郎への疑いが深まる中で町に体長2メートルの怪物メガヌロンが現れる。

(メガヌロン)


 メガヌロンによって殺された警官の傷から、これまでの炭坑での殺人がメガヌロンによるものと分かります。
 メガヌロンを駆除すべく自衛隊が出動、岩盤を落とす事でメガヌロンを炭坑に封じ込めたものの、河村は落盤の中から脱出できなかった。
 直後に阿蘇山付近の地面が陥没する地震が起き、更に空で謎の高速飛行物体が出現、戦闘機や旅客機を襲う事件が起きる。
 果たしてこの怪奇現象は一体、河村はどうなってしまったのか?
 と言う内容になります。

ホラー風味な雰囲気

(炭坑内部を探索する河村と炭鉱夫たち)


 大空の大怪獣と言うタイトルですが、前半は炭坑を舞台にしたミステリーとホラーな調子で進みます。
 暗い炭坑で見つかる死体、戻らず姿が見えない人物、人間業ではない殺害方法とミステリーな要素でまず展開
 そこから不気味なメガヌロンが現れてのホラー調に続く。
 メガヌロンが炭坑の中や地中の空洞、夜の町と暗い場面での出現でよりホラー味を増します。
 ようやくラドンが現れても姿ははっきりとしない。
 この姿を徐々に見せるのは怪獣作品の醍醐味だ。この醍醐味がホラーやミステリーな要素を混ぜ込んだ怪獣作品の王道展開ですね。
 全体として謎の生物が現れてパニックになると言う分かりやすい展開です。
 しかし、「ゴジラ」のような核兵器へのアンチテーゼや「モスラ」のような人間の心についての描写などストーリーにテーマはない様に思えた。
 内容が薄いと言うよりも、怪獣映画として娯楽性に大きく振った作品と言える。全容が分からない謎の怪獣のミステリーから、圧倒的な破壊力を見せる怪獣の迫力で魅せる作品なのです。

特撮の素晴らしさ

(ラドンの襲撃を受ける西鉄福岡駅)


 「ラドン」は特撮が良い。
 制作費の多くを費やしただけありミニチュアの完成度が凄い。
 福岡市を襲撃するラドンの場面でラドンが壊しながら降りる西鉄福岡駅の出来に、ラドンの突風で壊れる建物の壊れる様子
 破壊される建物で瓦屋根の瓦が一枚づつ吹き飛び、建物の内部から木の梁と思われる柱が飛び出したり、作りのリアルさに驚かせる。
 実在する街に怪獣が襲来した場面に徹底して拘っているのだ。
 それは西海橋もそうで、20分のⅠサイズとなる16メートルもの大きな模型で破壊の迫力とラドンの大きさを見せる良い作りとなっている。

 ここまでやったスタッフの努力は並大抵のものではない、実在する建物を実際に行って調べて手で作る。人力によるテクノロジーの結晶を見られる作品ですね。

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