知る事へのとっかかりの話。

図書館という言葉を眺めていて、図書の館って何かすごいなと思った。体育館に至っては体を育む館である。何かすごくないですか(語彙のなさ)

図書館へはバスに乗って行くのだけれど、直通と乗換ありという風にいくつか路線が存在する。面倒くさがりなので、できれば直通で行きたい。しかし行きはともかく帰りも直通になると本数が少ないので時間が開く。なので余裕があれば図書館内で1冊くらい読んでくる。割とコミックエッセイが多い。さっくり読めるから。だけどコミックエッセイは人気もあるようで貸し出し中のことも多々ある訳で。
そんな今日は棚の間を獲物を狙う熊の如くうろうろして、何となく気になったタイトルを手に取った。

何かポップな表紙である。すごい気軽に手を伸ばしたけどタイトルは少々重めだな。初版発行が2017年だったから、今とは制度とか色々違うところがあるんだろうなと思いながら読み終えた。何名かの女性が登場するのだけれど、環境が少しずつだけれど似ているなという印象。この種のものに、正解とか不正解というのはあるんだろうか。何ともぼんやり読んでいることが我ながら透けて見える気がしてしまう。

だけど、そうかそういう制度があるんだな、と今更ながらに知ったことがいくつかあった。
ああ、これは「とっかかり」だなと思った。本に限らないけれど、毎日生きていると時々知らない方向への「とっかかり」と遭遇することがある。

この本では制度について考える私にとっての「とっかかり」があった。
性別に限らず、知らないから使えない制度がたくさんある。条件に当てはまらないから使えないならまだしも、知らないから使えないことが。そういうのは窓口で教えてもらえるとは限らないし、どこで聞けばいいのかわからないこともあるだろうし、そもそも存在を知らないなら聞くこともできないわけで。最早経験者から口伝で伝えられる奥儀のようだ。

生き辛いことって増えている。
だからメンタル的にアプローチする本が書店にたくさん並んでいる。それと同時に年収○○円以下で暮らすとか、手取り○○円以下の暮らしとか、それ系統の本も多い。
生きていく為に社会の制度と、そのメリットとリスク両方と、そういうものも教えてほしい。自分で深堀するにしても、とっかかりが欲しい。手取り○○円以下より更に収入が減ってしまったら?どうやっても深く沈んでしまったら?

知ることは自分を助けてくれる。
だけど何を知りたいのか、知るべきなのか。その地図がないと目的地が見えない。ワンピースを目指すにしてもログポース(行き先を示してくれる道具)が必要なんだよ。
学ぶっていうことなら、学校が一番身近にあるものだと思うから、一日中学べる環境にいるうちに気付けたらよかったのかなと時々考える。だけどこうしてとっかかりに出会うと新しい発見というか、ダンジョンの地図を得たみたいな気分になる。

そんなにしばしば大量に書籍代を捻出できないから、図書館て本当にありがたい。
一昔前のドラクエですれ違い通信でダンジョンの地図を手に入れていたことを、ぼんやり思い出した。結局あのドラクエをクリアしたんだかどうか記憶は怪しいけれど、地図を手に入れた時の何となくじんわりと興奮した気持ちは覚えている。


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