見出し画像

嘘グルメ第26話「能ある鷹が隠す爪」

「能ある鷹は爪を隠す」あのことわざは例えだと思ってる人が本当に多いんですよね。ええ、実は鷹が隠している爪っていうのが本当に存在するんですよ。違うのは隠している理由です。獲物に対して鋭い爪を隠しておく、ていうことではなくて、あれ…めっちゃくちゃ旨くて狙われるから隠してるんです(笑)

僕が鷹匠を志したのが27歳の時です。僕は昔からソフトバンクホークスの球団マスコット「ハリーホーク」が好きすぎてコレクターをやっていたんですが、グッズをどんなに集めても、球場に出向きハリーホークに合いに行っても、嬉しいけど何故か満たされなった…。そんなとき、近所にあるイオンモールに『爆笑!鷹匠ショー!』というイベントがあって、人気の鷹匠が来るというので気になり行ってみることにしました。時間は11時からのステージと15時からの2ステージ。僕は11時のステージを観に行きました。出てくる鷹匠は二組で、一組目にはあまり知名度の無い鷹匠で地元に住みながら鷹匠をやるという「住みます鷹匠」さんでした。地元ネタを入れながらの鷹匠ショーで、十分に客を温めていたと思います。二組目に出てきたのが東京からやってきた人気の鷹匠さんでした。追っかけの子も前列にいて、歓声も凄かったです。そこでのパフォーマンスが凄くて、雷が落ちたような衝撃でした。そこで初めて「俺はハリーホークではなく、本物の鷹が好きだったんだ」という事実に気付きました。鷹匠ショーが終わったあとは、プレゼントが当たるじゃんけん大会があり、運良く勝ち残って「鷹匠のサインの寄せ書き」をいただきました。それは今でも宝物です。あまりにも感動したので15時からのステージも観に行ったんですが、11時と同じネタだったので少し残念でした。

そして鷹匠になってからは人生がガラリと変わったように輝き出しました。それまでのブロックが積み上がった僕の人生に、テトリスの長い棒が降りてきたようなそんな感覚でした。実際はぷよぷよ派なんですがね(笑)その時に師匠から教えてもらったのが、、能ある鷹が隠す爪でした。鷹は一般的には前向きの3本と後ろ向きの1本の4本指と思われていますが、実はもう1本後ろ向きの指を隠しています。その爪は単1電池ぐらいの大きさで、なんせ一羽に2本しか取れないので、鷹匠をやっていても食べるチャンスは中々ありません。鷹匠は師匠から一人前と認められた時に初めてそれを食べることを許されます。師匠から認められた夜、風呂上がりに爪を塩茹でして、キンキンに冷やしたビールと一緒にいただくと、、これが気を失う程うまいんです(笑)熱々に塩茹でされた爪はホクホクして甘味があって、、キンキンに冷えたビールと抜群の相性なんです。またこれを食べるには爪が生えてくるのを待たなければならないので、一年はかかります。またそれを食べる為に仕事が頑張れるんです。

能ある鷹が隠す爪。筆者もこの取材をするまでは知らなかった。話を聞くと、近い素材は「落花生」らしいので帰りに落花生を買い、風呂上がりに塩茹でするとしますか…。

『能ある鷹が隠す爪の塩茹で』

材料
能ある鷹が隠す爪…2本

塩…少々

作り方
1.能ある鷹が隠す爪は水で洗ってザルにあげておく。

2.大きめの鍋に水と塩を入れ、ザルにあげておいた能ある鷹が隠す爪を入れて火にかける。

3.落し蓋をして、沸騰したら弱火にして50分茹でる。
※水が少なくなるので、途中で元の量くらいまで水をさす。

4.50分たったら火を止め、そのまま20分くらい置いておく。

5.ザルにあげて出来上がり!熱々のままお召し上がりください♪

ポイント・コツ
さし水をしないと、水が煮詰まって辛くなります!

※本文に出てくる料理は全部、嘘です。

嘘グルメを書籍化したい!その為のサポート宜しくお願い致しますm(__)m