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「チャイコフスキー国際コンクールを除名,是か非か!?」新科目公共から学ぶ探究のトビラ(24)

 人間社会では,必ず意見や考え方が対立します。解のない問題や課題が現代社会では増え続け,これからはコミュニケーションを通じた共に納得できる解を見いだす姿勢や態度がますます求められます。中高社会科教員経験のある大学教員です。生徒や学生たちとの授業実践,互いの根拠や意味を問い合う対話による探究活動を紹介します。諸学校での授業活用はもちろん,理解しやすい身近な題材にしていますから,友人同士や家族団らんで語り合ってみてはいかがでしょうか。

国際音楽コンクール世界連盟からの除名

 2023年4月24日,ロシアがウクライナ侵攻を開始して,1年が経ちました。今なお,ウクライナでは,多くの人々が苦しんでいます。この1年間,世界ではロシアを非難する動きが見られました。国際音楽コンクール世界連盟は,世界3大音楽コンクールの一つであるチャイコフスキー国際コンクールを除名しました。

チャイコフスキー国際コンクールとは⁉

 チャイコフスキー国際コンクールは,旧ソ連時代に創設され,4年に1度,ロシア首都モスクワで開催されているものです。連盟は,ロシア政府が資金提供をして,宣伝ツールとしているチャイコフスキー国際コンクールを支援できないとしています。

アーティストたちをどう捉えればいいのか?

 連盟は,賛成多数で除名を決定していますが,一方で,「全てのロシア人に対する,全面的な制裁や排除には反対する」と言及しています。今回は、ロシア人アーティスト個々人への差別ではないと強調しているようです。

音楽と政治をどう見るか?

 音楽と政治は,まったく別の存在と考えることもできますが,今回のように,音楽が政治に翻弄されることもあります。これからも,音楽などの芸術と政治の関係がどうあるべきか,さらに議論が必要ですね。

探究とは…
①自分で課題を見いだす
 ②解のない問いと向き合う
③人としての在り方生き方を追究する
④他者と共に望ましい社会形成に参画する


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