見出し画像

7月に観た映画感想②

毎月後半から映画のペースが徐々に上がっていく傾向にあるのでアマゾンプライムの使用率がガンガン上がっていきます。

7月に観た映画の感想後半戦レッツゴー。

『アノマリサ』
公開年:2015年 
監督:デューク・ジョンソン/チャーリー・カウフマン
脚本:チャーリー・カウフマン
出演:デヴィッド・シューリス/ジェニファー・ジェイソン・リー/トム・ヌーナン

自分の妻子を含む全ての他人が同じ顔、同じ声の無表情な男性に見えて聴こえてしまう男性が主人公の人形を使ったストップモーション映画。

"孤独"という状況を最も悲惨に描いた映画だと思った。
アノマリサというタイトルは、異常、説明できない事象について表す"アノマリー"という言葉と主人公が出会う唯一、自身の顔を持ち、声で話す女性"リサ"を合わせた造語。
彼にとって"アノマリサ"は自分の生きてきた孤独な世界に突然現れた異常であり、幸せだった。
普段生きている中でも幸せや心のようなものって時に説明がつかないけど、納得できることがあって、そういう言語化できないけどなんか嬉しいみたいな状況を異常と表現するのはなんだか文学的。

そして、"異常な幸せ"との別れはセリフは一切ないがとにかく悲しいし、言葉につまるほど切なくなる。

『ゾンビ・ガール』
公開年:2014年 
監督:ジョー・ダンテ
脚本:アラン・トレッツァ
撮影:ジョナサン・ホール
音楽:ジョー・ロドゥカ
出演:アントン・イェルチン/アシュリー・グリーン/アレクサンドラ・ダダリオ/オリヴァー・クーパー

いかにもハロウィンのタイミングに合わせて作られた、おそらくカップルと観るような快楽映画。

今は亡き草食系アントン・イェルチンがあまりにも草食男子すぎてもはや自分の意見がほぼなくてイライラするが、女優2人が可愛いから許せる。
ラストはそっちか!って驚いたが、そのオチのせいで、逆に辻褄が合わなくなるという強引さを見せてくるけど、女優2人が可愛いから許せる。
物語自体あまり面白くないし怖がるポイントもあまりないので、そもそも作品としてどうなのという不満もたくさんあるけど、女優2人が可愛いから許せる。

可愛いは許せる。

『カメラを止めるな』
公開年:2018年 
監督:上田慎一郎
脚本:上田慎一郎
撮影:曽根剛
音楽:永井カイル
出演:濱津隆之/真魚/しゅはまはるみ/長屋和彰

間違いなく2018年、いや日本史上に残る日本映画の代表になるだろう。
映画好きにもしアンケートを取ったとしたら、”最近オススメの映画ある?"って聞かれた時に真っ先に答える映画No.1だっただろうし、"なんでオススメなの?"って聞かれた時に何も言わずに「とにかく観に行け」か「何も観ずに観に行け」というアドバイスをた人が多いのでは。

ユーロスペースは大変な事になっていた。

開始30分もやもやを後半でガンガン回収して、爆笑。
観客みんなで大爆笑。最後は笑いながら、応援しながら泣いてました。

2018年トップ5は確実。
日本アカデミー賞は万引き家族でなくこちらに入れたい。


『モンスターズ / 地球外生命体』
公開年:2011年 
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:ギャレス・エドワーズ
撮影:ギャレス・エドワーズ
音楽:ジョン・ホプキンス
出演:スクート・マクネイリー/ホイットニー・エイブル

僕が好きな特撮怪獣オタク監督の1人、ギャレス監督の名を世界に知らしめた作品。

普通の世界観の中に“異生物が存在している"という小さな異常を少しずつ散りばめて世界観を構築することで、低予算ではありながらもどこか現実離れした神秘的なドラマに仕上げた監督に脱帽。
場所選びとカメラワークとCGの使い方が絶妙。
倒置的な物語構成がまた巧妙。

あとヒロインを金髪で派手な原色の服を着せるとバイオハザード感が少なからず出てしまうことを学んだ。

『オートマタ』
公開年:2014年 
監督:ガベ・イバニェス
脚本:ガベ・イバニェス/イゴール・レガレタ/ハピエル・サンチェス・ドナーテ
撮影:アレハンドロ・マルティネス
音楽:サカリアス・M・デ・ラ・リバ
出演:アントニオ・バンデラス/ビアギッテ・ヨート・ソレンセン/ディラン・マクダーモット/ロバート・フォスター/ティム・マッキナリー/メラニー・グリフィス

「ブレードランナー」の世界観で「第9地区」と「アイ・ロボット」をメキシコでやった話。
SF要素てんこ盛り。

人類は自ら生み出した新たな種の台頭を許せるか。
機械人形=オートマタが人間のもとを離れ、"糸"なしで自ら新しい命を生み出すことに成功した時、地球という大きな命のゆりかごに乗っている種族の一つでしかない人類が地球に存在する理由は何か。

ものすごい時間感覚と視野の広さで今の人類や生命を見つめたような作品で、たくさんの問いを投げかけられた。

『The Beuguiled / 欲望のめざめ』
公開年:2018年 
監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
撮影:フィリップ・ル・スール
音楽:フェニックス
出演:コリン・ファレル/ニコール・キッドマン/キルスティン・ダンスト/エル・ファニング

ソフィア・コッポラの最新作。

今の時代において言語化することが憚れる男女の違いが恐ろしいほど伝わる。目づかいや体の動かし方で伝わる細かい心情描写による表現が秀逸。

脚本は好き嫌い分かれそうで、男女で観に行くのはあまりオススメしないですね。お互い疑心暗鬼になりそう笑

男女で感想や捉え方のズレがありそうで、そこら辺他に見た方(僕は男性なので特に女性の方)いたら感想を聞きたいです。

『パラノーマン ブライスホローの謎』
公開年:2012年 
監督:サム・フェル/クリス・バトラー
脚本:クリス・バトラー
撮影:トリスタン・オリヴァー
音楽:ジョン・ブライオン
出演:コディ・スミット=マクフィー/タッカー・アルブリジー/アナ・ケンドリック/ケイシー・アフレック/クリストファー・ミンツ=プラッセ/ジョン・グッドマン

幽霊が見える少年と魔女狩りが伝わる町で起こる騒動のクレイアニメ映画。

本当に恐ろしいのはゾンビや魔女ではなく、理解しようともせずに理解できないものを排除しようとする人間だった。あらゆるとは言わないが、ほとんどの物事や事象、行動には理由があって、その理由やその背景にある感情を理解しようとしないことは見ている世界を狭める。

なんだかゾンビ映画の新しいアプローチを垣間見ることになった。

『エクス・マキナ』
公開年:2016年 
監督:アレックス・ガーランド
脚本:アレックス・ガーランド
撮影:ロブ・ハーディ
音楽:ベン・サリスベリー/ジェフ・バーロウ
出演:アリシア・ヴィキャンデル/ドーナル・グリーソン/オスカー・アイザック/ソノヤ・ミズノ

人工知能のチューリング・テストの担当になった主人公と人工知能エヴァの物語。

映像、空間、カメラワーク、演技が無機質で不気味で美しい。

シンギュラリティが起こる瞬間とても静かにゆっくりと目の当たりにすることになった。実際に現実でAIが人間の知能を超えて、自由に自分の意思で行動を始める時もこんな感じなのではないだろうか。

そう考えると、実は今この瞬間にシンギュラリティが起こっているかもしれないと言う考えを否定すること自体が人間がAI無知であることの証明なのかもしれない。それだけ人智を超えた存在になるんだと思う。

『ULTRAMAN』
公開年:2004年 
監督:小中和哉
脚本:長谷川圭一
撮影:大岡新一
音楽:小澤正澄/池田大介/鎌田真吾
出演:別所哲也/遠山景織子/大澄賢也/裕木奈江/草刈正雄/田中秀幸/小西克幸

7月最後の映画。ウルフェス参加前日に鑑賞。

現代の社会でもしウルトラマンと怪獣が突然現れたら?という作品。
ザ・ネクストのデザインやストーリー、映像表現において、今までの子供向けコンテンツという枠を越えた挑戦的な意欲作になっている。

"空を飛べる"という誰もが憧れるウルトラマンの普遍的な能力にフォーカスし、空中戦と戦闘機のパイロットである主人公やそれに憧れる息子の心情描写とが結びついてとても美しく、感動する。

ビースト・ザ・ワン(=今回の怪獣)のように己の欲望に迎合させ、人間を完全に取り込む形で支配するのではなく、たとえ不完全であっても人間とウルトラマンが共に信頼、協力しあいながら守りたいものの為に融合し、戦う、というウルトラマンでは当たり前だったかもしれないけど、暗黙的だったものに明確な意味をもたらしてくれた。


以上、7月に観た映画たちでした。

日々の楽しい癒し、自分の人生の新しいきっかけ、生きている上での教訓として映画を楽しんでくれる人がこれからもどんどん増えていくことを願っています。

今後の目標として
・8月9月では合計61本以上観ること(8月17日現在18本、順調です)
・休学中に映画を撮って世に出すこと
を自分の目標にしています。

ぜひ応援よろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?