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【書評】ステップ/重松清 ※ネタばれ

今、二回目を読み終えて改めてほんわかしています。。。。朝一にすいません。。。

大事な妻が亡くなった。でも大事な子を育てなきゃいけない。再出発。
でも、男としての葛藤の日々。子の成長が自分の成長に繋がる、残された人の軌跡のこころ温まる一冊。

重松清氏の本は大好きだ。
特に「とんび」は泣ける。
個人的には現代の山本周五郎だと思っている。
(読んでない方は さぶ をどうぞ)

特に世の男性陣は読むべきだ。いや、読んでる人多いだろう。
涙が欲しい男性は特におすすめ。

今回読んだのは「ステップ」
2009年に初版されたものだったんですね。本屋で映画化というこで積み上げられていたので手に取りました。

今回、山田孝之氏主演で映画化されたそうだ。(コロナの影響で延期みたい。ここまで影響してますか。。。。)

もう山田孝之主演てだけで泣けます。個人的に。はい。あの役に入り込む感じが「ザ役者」て感じと同世代の男性陣からのフォローも多いのはふり幅があるから(セカチューから全裸監督まで)支持層が広いのも魅力。

ざっくりあらすじ

ステップのあらすじはざっくり言うと、

大事奥様が急な病気で亡くなった。
残ったのは「僕」と「美紀」の2人だけ。まだ2歳の小さな子だ。
再出発は保育園から。
送り出す姿に再出発の決意を踏む。
しかし、働き盛りの僕は仕事に追われて、保育園を延長することが増えてしまう。働きたかった部署を変える申請まで会社にし、ようやくの日常も何をやってるんだの自問自答の毎日。
義両親に子どもを預かろうかと言われ、改めて自分が頑張るんだと決意。
保育士の先生に子どもに必要なものは何か問われ、不妊治療に悩む義兄夫婦には我が子同然に「美紀」は愛され、地元のカメラマンには子どもの笑顔に気づかされ、行きつけのカフェ定員には背中を押され、義両親には亡くなった妻と同様、我が子の様に甘えなさいと言われ、新しいパートナーとは過去を共有し、一つ一つのストーリーが「僕」と「美紀」の成長に繋がります。

「美紀」の成長や触れ合う人に救われてなんとか10年の時が経ち、小学校を卒業するところで本は終わる。

男で一つで

簡単にまとめているが、重松清氏の本の随所にはいわゆる男性の独特な価値観や、女性からは共感されづらい男はつらいよ感が満載なのである。
例えば、バリバリの営業マンだった「僕」は再出発を機に営業から総務へ異動願いを出した。子どもの為だ。でも、元の上司からは「戻ってこい」と誘われる。35歳を過ぎ次のステップを考えたら嬉しいかぎりだ。でも、営業で家に帰る時間が遅くなったら「美紀」は悲しんでしまう。周りに迷惑をかけてしまう。葛藤が起きるわけだ。

男として「やりがい」というのはどうしても「仕事」に向きがちだが「家庭」の中に「生きがい」を見出すことが大事じゃないか?と気づく心情が描写されている。

義理の両親は妻を亡くしても良い付き合いをしてくれている。甘えもできるが、ちょっとこころの距離がある。でも、ふと娘を失った悲しみと妻を亡くした悲しみは違うのか?そう思うと義父も家族を亡くしたことは違いないと感じ始める。義父から本当の息子のように思っていると言われ「家族」の有難さに涙する。

大事になって気づく っていうのは世の常で。「僕」は新しいパートナーを「美紀」に紹介する場面では、「美紀」は優秀なくらい良い子だった。でも、帰り際に体調不良起こす「美紀」。やはり心と体は無理をしていたのだ。もしかして二人は気が合うかもしれないと勝手な思い込み、子の為と想った行動は新しいパートナーさえ理解できていないことに気づいた。。。。最後のシーンはいつも通りの日常で、、、、、、、

まとめ

こういった家族って意外と少なくない気がする。そう思うと周りの人の言葉で救われることって多いと思う。
どんな時も「何かを気づかされる瞬間」てのは自分が失敗しても離れずいてくれる友人知人、家族だったりするんだよなーと思い返す。

家族ってこうなんだよな、こうありたいよなと気づかされるのが重松作品。

女手一人でも男手一人でも、大変な葛藤やジレンマ悩みが子育てにはある。

でも、子の成長を思えば大したことないんじゃないか?と後押ししてくれる、勇気づけられる文章が「ステップ」にはちりばめられています。

読みやすいので、自宅待機にもってこいのお勧め作品でした!

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