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オンラインEthical UX Workshopのふりかえりから学んだこと

2020年3月11日に【オンライン】Ethical UX Workshop ~UXデザインと倫理、社会的な影響を考える~を実施しました。
このオンラインワークショップのデザインについてはイベント前に以下のnoteを書いていましたので、よければこちらも参照ください。

実施している最中も、実施後にも参加者の方々からのフィードバックや、ふりかえりからたくさんの学びをえることができましたので、それらについて共有できればと思います。
なお、今回のワークショップでは30人強の参加者と一緒に取り組みました。
参加者の方がnoteを書いていただいたので、こちらも合わせてご覧になっていただくと、その場の様子が伝わるかと思います。

オンラインの場に慣れるための時間は大切

オンラインミーティングに慣れている方はそれなりにいると思うのですが、オンラインワークショップという場に慣れている方はまだ少ないと考えていたため、今回はオンラインの場に慣れるための時間を冒頭に取り、具体的には以下のような項目をプログラムに組み込みました。

・イベント開始前にzoomの名前変更、miroのボード確認を一緒に行う
・事前課題をmiroのボードに書き出してもらう
・イベント冒頭でツールのレクチャーと練習の時間を取る
・チェックインでzoomのブレイクアウトルーム、miroを使う

40分ほどの時間をかけたこともあって、ツール面については慣れてもらうことができたかと考えているのですが、「オンラインの場に慣れる」という点ではこれでも足りていなかったと思います。
今回はツールの使い方にフォーカスし過ぎてしまったのですが、参加者同士で一緒に取り組むアイスブレイクの時間を取ることで、もっと早いタイミングで参加者間の関係性構築を実現できたかもしれないと考えています。

プログラムは詰め込まずにシンプルに

今回、Ethical UXというテーマであったため、それについて参加者が自らのEthical UXを考えること、向き合うことができるようになるきっかけとなればと思い、オフラインのワークショップとしてデザインしていました。そのこともあり、若干詰め込みすぎた感はありました。
それでもオンライン版として改変した際に時間的には余裕を持たせたのですが、それでも時間は足りませんでした。
時間が足りなかった理由としては複数の理由があるのですが、zoomのブレイクアウトルームを使ったグループワークの時間において、以下のような点が要因となっていたかと思われます。

・進行スライドを見ることができなくなった
 これはスライドを事前共有しておくことで対応できたことでした

・グループメンバーによっては対話が進まなかった
 ファシリテーターの介入が必要であったシーンであったかもしれません

・ツールのパフォーマンスや通信回線が不安定
 参加者の環境に依存する部分ですが事前のフォローが必要な部分でした

ファシリテーターや運営メンバーの目が行き届かない、介入できない部分があるため、それをフォローする仕組みが必要であったと考えています。
(配慮していたものの、それが足りていませんでした)

参加者の環境は多種多様であることを認識する

参加者の環境に幅があることは認識していたのですが、それでもその認識を上回るところがありました。
例えば以下のような幅があります。

・ビデオをオフでの参加(音声参加)
・テキストチャットのみでの参加
・通信回線が安定しない
・PCスペックが低い(と思われる)

ビデオをオンで参加してほしい旨はイベントページや事前連絡で何度か伝えていて、顔出しに抵抗がある場合は「Snap Camera」の利用を案内していましたが、音声のみの参加の方が何人かいました。
ワークショップの場合は、参加者同士の対話が主体となることもあり、お互いの意思疎通のためにもビデオはオンしてもらった方が相手に伝わる情報が増えます。
Snap Cameraを使ってエフェクトをかけても静止画よりはコミュニケーションしやすくなりますので、ぜひお試しください!
(とはいえ、知らない人とのビデオチャットの心理的ハードルは高いと思いますので、この辺はそのハードルを下げるためのさらなる工夫が必要とも考えています)

テキストチャットのみの参加は申し訳ないのですが、ワークショップへの参加が成立しませんので、これについては次回以降は制限させてもらうことを考えています。
テキストチャットは参加者の方々が常に見ているわけではないこともありますし、グループワークは対話が主体となるため、他の参加者の方がテキストチャットに合わせるとそこで時間や労力を取られてしまうためです。

通信回線とPCスペックについては参加者によって差が出るところですが、なるべく安定した通信回線の環境を整えてもらうとやり取りの遅延がなく参加することができるかと思われます。
とはいえ、通信回線が不安定になった時や、参加人数が多くてツールのパフォーマンスが落ちた時の代替手段を用意しておくことも必要です。

運用体制を整えることと、参加者に委ねること

参加人数にも依りますが、ファシリテーターが一人で対応することはなかなかきびしいと考えています。
少なくともファシリテーター以外にツール担当(ブレイクアウトルームを分けたりチャットでフォローしたり)の人はいないと、ファシリテーションする余裕がなくなります。
今回の場合だと、6人体制で以下のような役割分担でした。

・ファシリテーター
・ツール担当
・チャット担当
・参加者としてフォロー(3人)

理想はグループごとにグループファシリテーターをアサインすることですが、そこまでの体制を整えることは難しいと思いますので、ファシリテーター以外に1〜2人ほどの体制を整えられると、余裕を持って進めることができるかと思われます。

参加者に場を委ねること
オンラインワークショップを成立させているのがzoomのブレイクアウトルーム(グループ分けされた小部屋をつくる)機能ですが、オフラインの場と異なり、密室になってしまうため、ファシリテーターが介入することが難しくなります。
(この密室感が安心する場になっていたという参加者の声もありました)
zoomのホストは各ルームに参加することは可能ではありますが、途中参加するとグループでの対話を阻害する要因となってしまいますので、なるべく介入しない方がよいかと考えています。
そのため、ブレイクアウトルームの時間は参加者に場を委ねることになりますが、そのためにも「参加者がこの時間で何をするのか」を明確に伝えること、迷った時に確認する術を用意しておくことが必要になります。

今回のふりかえりからの次のアクション

実施前に仮説として立てていた点についての確認ができ、何を改善すればよいかは比較的明確であるため、プログラムやワークシートのブラッシュアップは進めています。
近日中に次の機会を実施できればと考えていますので、その際はご参加いただければと思います!

コーヒーを飲みながら書いていることが多いので、サポートいただけたらコーヒー代として使わせていただきます!