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走れぬ僕はどこへ行こうか

]今年は厄年か?
年齢的には前厄らしい。
7月にコロナに罹り、そこでおそらく免疫力が落ち、8月9月も相次ぐ体調不良。
それでも何とか練習を重ねて挑んた丹後ウルトラマラソンは見事な撃沈!
その疲れと、撃沈と諸々のアクシデントによるモチベーションの低下により大不調。
そして、とどめを刺すかのように罹った10月のインフルエンザ…

こうして書き連ねてみると、改めてなかなかキツい年だな。
仕事の環境が変わって、どうしてもストレスを抱えがちになるということも一因。そして、すっかり放ったらかしにしているけど、40歳になっての人生モヤモヤも不調の背中を押しているのかと思う。

「もう記録を狙うのは無理だろうな」と諦めるレベルに心身ともに堪えた。
まぁ、私も市民ランナーを15年近くやっているので、不調なんて何度も経験している。
なので、不調であること自体は大したことではない。
・・・が、ここにもうひとつ別の内なる声が乗ってきた。

「お前はいつまで自分の記録向上を目指すのか?」

そう。特にここ数年は、ようやくランナーとしての自分の「持っていき方」を掴み、30代後半にして記録がどんどん向上した。
もちろん、そのことは嬉しいことだ。
だが、もはやある程度やりきったのではないか?
1つの目標ラインとしていた、当初の福岡国際マラソンA標準である2時間27分切りも果たすことができた。
ハーフマラソンで、学生時代の自分を超えることができた。
10000mで京都選手権標準を切ることができた…これについては、京都選手権当日にコロナに罹り棄権を余儀なくされたので未完ではあるが。

もちろん、まだ記録向上の余地はあると思っている。
京都選手権出場を始め、やり残したことも少なくない。
…が、かつてほどに「自分が速くなりたい!」という気持ちは強くない。

心身の不調が引き金となり、ランナーとしてのこれからの生き方を考えさせられる悶々とした日々が続いた。

思えば、最近の自分のランニングへの取組を振り返ってみると、「少なくとも速くなることを目指していること」が前提となっていた。
なので、速くなりたいという気持ちが揺らいだことによって、今までとても居心地の良い場所だったところと妙に距離を感じてしまうようになった。

もういっそ、走ることをやめてしまおうか…。

と、かなり本気で思ってはみたんだけど、言わずもがな僕は何も背負っていない市民ランナー。「引退」なんて概念は存在しないのだ。
ちょっと最近上手く走れていたからって、いつの間にか、競技としてのランニングを生活の軸にするセミプロみたいな意識を持っていたのかもしれない。
そりゃ傲慢だわな。仕事として走るブラインドランナーさんたちの苦労を側で見てきたというのに…。

みたいなグルグルの中、ようやく体調が落ち着いたので、走ってみた。

久しぶりに走ったら、やっぱり楽しかった!
そう。やっぱり僕は走るのが好きなのだ。そこだけはやっぱり揺るがない。
歳を取って、どんどん競技力が低下していく時期が来ても(絶対に来るのだけど)可能ならば一生走っていきたい。

そのあたりが再確認できたところで、次は久々に、ずっと太陽が丘ジョギングクラブの練習に行った。
10年以上所属するチームだが、このところはあまり練習に参加できていなかった。職場も一時的に離れているので、久しぶりの太陽が丘だ。

ホームを感じられた。
RPGでたまにある「自宅」の設定。
街の宿屋と違って、無料で体力が全回復する。そんなイメージ。
こういう感覚を感じられる場所とチームがあって本当に良かった。
心から思えた。

最近は「武者修行」とばかり、外に出て走ることが多かった。
それはそれで、とても良い経験ができたし、仲間の輪も広がった。
が、今はもう一度ホームで根を伸ばす時期だなと思った。

今後のことで思うこと。

40代でも自己記録更新を向けて挑み続ける人、とてもかっこいいし尊敬できる。僕もそういう人に憧れ、自分もそうありたいと思っていた。
だけどどうやら自分は、今の自分は、自己記録向上が一番ではないらしい。

一番したいことを一言で言うと…
大好きな走ることを通じて人を巻き込んで楽しいことがしたい!
ということになるかな。
そしてできれば、ホームであるこの宇治の地を基盤にしたいな。

かなり深く悩んだ上で、そんなことを思った。
そう考えると、迎えるべくして迎えたスランプだったのかもしれないな。

そして、そうやって出口を探りつつ、コツコツ走っているうちに…

全快にはまだまだ遠いけど、少し調子が戻ってきた。

次の金曜祝日には、久々のレース「丹波ロードレース」に出場する。
今の状態でどれくらいに走れるか、何とも言えないけど、やれるだけやってみよう。

「速くなることが1番でない」と割り切ったことで、妙な肩の力が抜けて、「今速くなるために、できるだけのことはしよう」という、前向きな気持ちになれるから不思議なものだな。

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