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【かつらのお話:中剃りの地金】
前回銀杏返しの女形の鬘が出来上がり、今回から中剃りの鬘を作っていきます。
こんにちは。京都時代劇かつらです。
中剃りの鬘は時代劇の立ち役(男性の役)では定番中の定番の形です。
![](https://assets.st-note.com/img/1691454788172-yTc1ejedng.jpg?width=1200)
頭部の真ん中を剃っているので中剃り(なかぞり)の鬘といいます。
中剃りですので女形の地金と違い左右毎に頭合わせをしていきます。
人間の頭は左右非対称で膨らみや凹凸が均等ではありません。
その凹凸を【窪み:くぼみ】と呼びますが、窪付で地金を叩き、鶴首台の上で木槌で均して地金が役者さんの頭に吸い付くように合わせていきます。
役者さんの頭と鶴首台の上を行ったり来たりしながら形を合わせていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1691454886224-WZjTiQiaAD.jpg?width=1200)
ただ、単に頭に合うだけでは最終的に床山さんが結い上げる時に非常に結い難く、歪んだままの鬘になってしまいます。
よいバランスになるよう間を取って微調節して、左右均等に近づけて組み立てていきます。
しかし左右均等を意識しすぎると、鬘を掛ける役者さんには違和感があったり痛くなってしまいます。ですが、頭に添うことばかりを意識しすぎるとバランスの取れた結い上がりになる鬘にはなりません。
この微妙なバランスが難しいのですが楽しいところでもあります。
ほんのちょっとの匙加減。
まさに塩梅です。
![](https://assets.st-note.com/img/1691454970870-mODa6xv0Fo.jpg?width=1200)
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