【かつらのお話:鬢簑穴開け】
刳のチュールを中剃りの地金に貼り終わりました。
こんにちは。京都時代劇かつらです。
今回はその鬢裏に、簑を付ける為の簑穴を開けていきます。
簑穴は、穴開けで等間隔に開けていくのですが、その時に気をつけないといけないことがあります。穴開けを無理やり抜かないことです。
穴開けには針の付いたオスと、受けの付いたメスが両側それぞれに付いています。
地金に穴を開けた時、オス針は地金を貫くのですが、そのオス針を地金から無理やり抜いてグネると、金属疲労でオス針が折れてしまうのです。
この、小さなオス針は穴開けと同じく鍛治屋さんに特注で作ってもらいます。なかなか直ぐに手に入る部品ではないので、ちょくちょく折ってしまうと仕事になりません。
穴開けが使えないと、かつらの組み立て、部品の取り付けに支障がでてしまいます。
ですので、穴開けを使うときはあらかじめ、柔らかめの鬢付け油をオス針に塗って滑りをよくして針を折らないようにします。
針が折れたあの感触、しまった!と感じるあの一瞬は、思い出すだけでもゾクッとする嫌な時間です。
さてさて、穴開けで開けた簑穴も目打ちでバリも処理して綺麗に出来ました。
次はここに鬢簑を付けていきます。
次回もどうぞお楽しみに。
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