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祝婚歌。【#80】

きのう物語は、昨日撮った写真一枚と、その日記です。

広島のとある教会で、結婚式があった。学年が2つ年上の、大学の先輩方。学生時代からのお付き合いを経て、おめでたく結婚された。わたしも学生の頃にお世話になっていて、今回の結婚式の撮影についても、1年ほど前からお話をいただいていた。

と言っても、1年前はまだ就職する前で、お伺いできるか分からなかったし、結果論だけど、もし今フリーランスではなくて、就職時と同じ仕事を続けていたら、土日勤務もあって、広島に来れなかったかもしれないなぁ、と思ったりもした。

式の会場は、先輩にとって思い入れのある、地元の教会だ。雨はほとんど降らず、やわらかな光が絶えず差し込んだ。教会の方も、お手伝いに来られていた。やわらかな光のような方々だった。式はひっそりと、そして盛大に開催された。すばらしい時間だった。式の途中、神父さんから新郎新婦へお話しされた言葉が、印象に残っている。詩人である吉野弘さんの『祝婚歌』という詩だ。有名な詩だということを、今まで知らなかった。

2人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは 長持ちしないことだと 気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい 完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
2人のうちどちらかが ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
(吉野弘 祝婚歌より一部引用)

その通りだよなぁ。人間って、完璧じゃないもの。完璧じゃないからこそ、誰かと生きるのだろうなぁ。わたしも全く完璧ではないけれど、いまの未完成な自分を好きでいたいし、それを受け入れてもらえる人たちと、これからも過ごしたい。

お二人の幸せなお姿が、わたしにとっても、これからの幸せの一部になります。ほんとうに、ご結婚おめでとうございます。澄んだ讃美歌が、教会に響きました。

ポカリスエットを買います。銭湯に入ります。元気になって、写真を撮ります。たくさん汗をかいて、ほっと笑顔になれる経験をみなさんと共有したいと思います。